青森県立美術館@青森
大好きな奈良美智さんの作品が常設されていると聞いて、ずっと行ってみたいと思っていた青森県立美術館。
シルバーウィークの帰省で、父と母が連れて行ってくれた。 常設展に入ると、最初のホールは、マルク・シャガール。 バレエ舞台「アレコ」の背景画とのことだったけれど、ものすごい迫力。 大きさと、鮮やかさと、その配置に圧倒された。 3枚の絵の中心に椅子が置いてあり、座って観ることができるようになっているのだけれど、あの中心の静けさと厳かさは、ちょっと言葉にできない。 次のフロアには、一番楽しみにしていた、奈良美智さんの作品群。 一番有名な、"あおもり犬"は、屋外にひっそりと佇む姿と、落ち着いた表情がとっても愛らしい。 目を閉じているのは、眠っているのかな?それとも、何かに、じっくりと耳を澄ませているのかな? 横浜のトリエンナーレなど、数多くの場所で観てきた奈良美智さんの作品だけれども、本当に飽きが来ない。 たくさんのお花を敷き詰めた部屋に、3人の子供が寝っ転がっているインスタレーションがあったのだけれど、その部屋をのぞくだけで30分は過ごせてしまう。 ガーリーな愛らしさの奥に、ピリっとした鋭さが潜んだ作品の数々。 夢のような世界観にどっぷり浸りながら、立体作品の中を歩く。 奈良美智さんの作品は、何度見てもたくさんの発見があって、本当に楽しい。 他にも、青森出身のアーティストさんをはじめとした、数々の作品が展示されていたのだけれど、中でも一番心に残ったのは、やはり棟方志功さんの作品。 これまではあまり興味がなくて、棟方志功さんの作品をきちんと見たことがなかった。 けれど、今回はその生い立ちから、言葉から、そして作品まで、初めてじっくりと眺めてみる。 そうしたら、びっくりすることに、じわーっと涙が出てきた。 自分でも心底動揺した。(泣きながら作品見てたら、恥ずかしい!!) 悲しいわけじゃなく、嬉しいわけでもなく、でも胸が熱くなった。 内面にしっかりとした信仰があるんだってこと。 力強い作品の裏側に、信仰と、静かな祈りと、誰かへ宛てた思いがあるんだってこと。 ものすごい巨匠なのに、その言葉一つ一つはとても真摯で、謙虚だってこと。 使い古された言い方だけれど、"彼が版画を選んだのではなくて、版画が彼を選んだんだ"って、心から感じた。 すごいなあ。こんな人がいたんだなあ。 美術館って本当に楽しい。 作品に向き合いながら、自分自身とも向き合えるから。
by norlie
| 2009-10-18 13:57
| ぷらっと青森
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