龍山寺@台湾
この春、4月中旬に台湾に行ってきた。
折しもそれは震災の約1ヶ月後。
「日本のためにたくさんの援助をしてくれた台湾の人へ、お礼の気持ちを伝えよう」
それを、私自身の旅のテーマとすることにした。

2泊3日の小旅行なので、中日を遠方への旅にあてることにして、初日と3日目は台北で過ごす。
西門駅周辺の散策、故宮博物館の見学、信義区でのショッピングなど、わりとベーシックな観光地巡り。

友人達と別行動し、故宮博物館併設のカフェで一人のんびり楽しんだ思い出も捨てがたいけれど、訪れた場所で一番好きだなあと感じたのは龍山寺。
もともと龍山寺は、一緒に行った友人の希望で行くことになった。私自身はそれほどお寺に興味がなかったのだけれど、行ってみたらとても素敵な場所だった。

繁華街の真ん中、いかにも観光地と行った人の賑わう場所。
境内の一角に腰掛けて、場所の様子や、訪れる人の挙動をじーっと観察してみる。
本殿前の広い場所には、色とりどりの鮮やかなお花が供えられている。おいしそうなお菓子もちらほら見える。日本のお寺の、菊とかあやめみたいな落ち着いた色合いとは違う、ビビッドな色遣い。
観光で訪れる人達で混雑する中、地べたに座って、ひたすらお経を唱えている人もいる。きっと何時間もそうしているんだろうなと思ってしまうほど、周囲に気を散らす様子もない。

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前殿では、おみくじに挑戦する人達もいる。
おみくじは日本のものとはだいぶ違っていて、赤い半月形の木を2つ投げて、見事「裏」「表」の組み合わせにならないと、結果を聞くことができないのだそう。
裏表というところが、仏教の陰陽らしくていいなと思った。
「神杯」というそれは、「私の願いは叶いますか?」と神様に伺いを立てるもの。
3回まで投げることができて、一度も裏表の組み合わせにならなければ、それは「まだ答えを聞く時期ではない」という意味なのだそうだ。
もしかしたら、一度も裏表にならず、結果が聞けないで終わるのが一番幸せなんじゃないかなと思った。
「まだ結果を聞く時期じゃない」と神様が教えてくれる。それは、まだ可能性があるってことだものね。

参拝は、7本の長いお香を買うところからスタート。
横浜中華街でもそうだけれど、中国や台湾のお香は、花火みたいに長い。
本殿と後殿にある7つの香炉を巡って、一本一本香を立てていく。
観音炉から始まり、天公炉へ。
3番目は後殿へまわって、一番右の文昌炉。文昌帝君は学問の神様だそうです。これからも勉強がんばります、と心の中で呟く。
水仙尊王の水仙炉、媽祖娘娘の媽祖炉へ香を立てる。
そして、この辺りから、次はいったいどの神様へ行けばよいか見失い…よくわからないまま、結局、左のほうの神様の香炉へ参拝。私は何の神様へ祈ったのだろう…。

というような参拝の作法も、やってみたらなかなか趣深く、香を1つ立てる度に、気持ちが穏やかになっていくのがわかった。
手間がかかる方法というだけあって、喧噪を忘れて、自然と真摯な気持ちになった。

訪れる人の数だけ願いがあって、祈りがある。その風景がこのお寺にはある。
裕福な暮らしをしているわけでもなさそうな、いかにも庶民的な身なりの人が、長い時間、信心深く祈りを捧げたり。
この後、買い物にでも行きそうなおばさんが、お香を立てて、ゆっくり深々と礼をしたり。
日常の中に、祈りがある風景。

それが、自分と大してかわらない、庶民風な人達であることに、なんだかとても愛しい気持ちになる。
龍山寺。お気に入りのお寺です。
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by norlie | 2011-07-17 13:52 | 台湾旅 | Comments(12)
Commented by popoki1202 at 2011-07-17 17:23
お久しぶりです。
ブログの再開、お待ちしていました~。
これからも、ヨロシクお願いします♪

日常のなかに祈りがあるって、良いものですよね。
日本でも、朝早くお寺や神社に行くと、お掃除している人がいたり、
出勤前に手を合わせるひとがいたりしますよね。
そういう風景って、どの国にもあるのかもしれませんね。
Commented by norlie at 2011-07-18 11:37
> popokiさん、こんにちは!
こちらこそ、長いことご無沙汰してしまってすみませんでした。
これからもどうぞよろしくお願いします。

早朝のお寺や神社、いいですよね〜。
晴れた日なんかだと、本当に独特の静けさとゆったり感があって、大好きです。
出勤前に神社に寄るってなんだかいいですね。そういう日課なら素敵だなあ。
昔、友人にお寺が実家の子と、神社が実家の子がいました。すごく羨ましかったなあと思い出しました。
ヨーロッパや欧米は教会だったり、西アジアならモスクだったり、アジアならお寺だったり、そういう場所で座ってぼーっとするのが好きです。旅のときには、もっとそういう場所にも行ってみようと思いました。
Commented by infoitalia at 2011-07-18 18:15
こんにちは!神聖な場所なのに日本とは全く違った明るい原色の色遣い!!不思議です。
簡単に結果を聞くことができないおみくじ、もどかしいですけど・・なるほど「まだ答えを聞く時期ではない」ということなんですね。
宗教を問わず、日常の中に祈りがある風景。素敵だと思います。私は信仰の自由を尊重しますが、無理強いや周囲との不協調には納得できません、さらに宗教の違いで争いが起こるなんて残念でしかたがありません。
Commented by the-sahara at 2011-07-18 19:41
祝、再開!
また、よろしくお願いしますね!!

日常の中の祈り。
目を閉じて、手を合わせる。
それだけで、気持ちが穏やかになるから不思議です。

昔から、たくさんの人が祈りを捧げてきたきた場所も、
祈る姿も、どちらも好きです。
綺麗だな、って思う。
そんな記事を前に書いた気がして検索してみたら、ありました。

何かを願い、祈る。
姿や場所は違えど、そのまっすぐな気持ちは世界共通なのでしょうね。

Commented by norlie at 2011-07-18 21:10
> infoitaliaさん、こんばんは!
そうなんです、お寺なのに派手でヴィヴィッドな色遣い。
京都や鎌倉なんかの落ち着いた日本文化も大好きですが、やっぱり土地柄に合う色合いってありますよね。

おみくじの意味は、私も面白いなあって思いました。
最初、トライしても結果を聞けない可能性があるんだとわかって、微妙だね…と思ってしまったのですが、意味を知って、なるほどと思いました。
でも、そういえば、神杯の結果が裏表だったかどうかは、自己申告性なので、ズルもできるんですが、神様の御前だからそういうことはなしだといいなーと思いました。

信仰や宗教、あるいは誰かの感情や感覚や考え、思い。そういうのを無理強いしたり、協調性がないという理由で攻撃したり、そういうのに反感を覚える気持ち、よくわかります!
人の心だけは、不可侵の自由であるべきですよね。
宗教の問題は、中東なんかだとまだまだセンシティブなのだろうなあと思いつつも、やはりいつかお互いの宗教や信仰を尊重できる世界になればいいなあと思います。
形式や方法は違っても、きっと祈りの内容はそう変わらない気がしますものね。家族や友人の幸せだったり、自分の夢や願いだったり。
Commented by norlie at 2011-07-18 21:21
> saharaさん、こんばんは!
お祝いの言葉、どうもありがとう。一年もお休みして、また再開できたのは、自分の意志もありつつ、変わらずに粛々と日々の出来事を綴ってくれた「コーヒー片手に」の存在があったからです。
やっぱりsaharaさんのように、親しくて身近な人がブログを書いていてくれるのは、心強くて、何より楽しくって!

"祈る場所も、祈る姿もどちらも好き"
その気持ち、すごくよくわかるよー。
綺麗だなと感じる、saharaさん自身も、綺麗だと思います。

シンプルに願い、祈ることは、そうそう人によって変わるものじゃないから、国や言葉が違っていても、共通だと思います。
色々な複雑な理由付けをして、線を引きたくないの。
旅へ出て違う文化に触れる度にそう思います。
土地へ根付いた形式や作法があって、でもベースはだいたい同じだなあって。
ほんと、旅ってやめられないね。

ふふ、会って話したり、手紙だったり、メールだったり、ブログだったり、saharaさんとの会話はクロスメディアでうれしいです。
Commented by ritokotoG at 2011-07-18 21:41
norlieさん kotoriです〜!
とってもお久しぶりです!更新待ってましたヨ♪

お寺、神社、神様のいる場所って本当に心が落ち着きますよね。
先日、滝修行を見て、体験したところなんです。穏やかでそれでも強くて優しいものが沸いてきました。そしてnorlieさんと同じように、真摯な気持ちになり、時間が止まったような感覚になりました。

日常生活の中に、祈りがあるって、本当に素晴らしいことですよね。
普段の生活では気づかないことを、旅は教えてくれますね
私はもう旅行には当分行けそうもないから、 norlieさんに刺激をもらわないとっ。
Commented by pocchi-8 at 2011-07-18 22:38
ブログ再開、お待ちしておりました。
感性豊かなnorlieワールドをまた楽しめるのが嬉しいです。
日本のお寺は、観光地に多い見学(見物)用と
地方に一番多い葬式用に分かれてしまってるような気がします。
その上、今の日本人にはちゃんとした宗教観がない(私もその独りですがーー笑)。
海外に行くと、日常的に敬虔な祈りを捧げる人々を目にすることがあって、こんな時ふと<こんな自分でいいんだろうか>と思うことも。
信心はたしかに心の支えになるのではあるのですけどね。



Commented by norlie at 2011-07-20 22:05
> kotoriさん、こんばんは!
またお会いできてとてもうれしいです〜!
お休みしていた間に、kotoriさんのブログがお引っ越しされていて、連絡先を聞くにもすっかり出遅れてしまったので、どうしよう…と気になっていたところでした。
本当にうれしい!

滝修行!すごいですね!
水が冷たいと、結構大変ですよね。滝の水って、山奥だと結構冷たそう…。
でも、「穏やかで強くて優しいもの」という表現はなんだかとてもしっくりくるような気がします。
滝にあたった前と後で、精神が全然違う状態に洗われそう。
自社神仏もそうだけれど、自然にも、心を静めて厳かな気持ちにさせるパワーがありますよね!

それにしても滝修行…。すごいなあ。
今日は雨でとても湿度が高く、蒸し暑いせいか、想像したらとても気持ちよくなりました。今なら私も滝修行したい…と思ってしまいました(苦笑)

私は、もう当分、田舎暮らしをすることはできないだろうから、その分kotoriさんから安らぎをいただくことにします!
これからもよろしくお願いします!
Commented by norlie at 2011-07-20 22:28
> ポッチ〜さん、こんばんは!
「ワールド」と言っていただけて、気恥ずかしいような、でも、とても嬉しいような気持ちです。ありがとうございます。

ブログを書いていなかった一年間も、日々の生活で「ああ、ブログに書きたいな」と思う出来事や風景がたくさんあったので、これからまたそういう物事を、零れ落ちないように綴っていければなあと思います。

ポッチ〜さんのブログは、懐かしい故郷の話がたくさん出てくることもあり、毎日のぞいていたので、とても身近です。
それは私にとって、いまやデーリー東北みたいな存在かも!

日本のお寺が、2種類に分かれているのは確かに感じますよね、
日々の暮らしの中に、お寺や神社が息づいている場所は、観光地とは別の小さなお寺や場所だったりするのかも。
私もあまり正しい宗教観があるほうではないのですが、土地に根ざした行事や習慣、祈りの作法などは、意味をきちんと知っておきたいなあと思いました。
自分の中の世界が広がるような気がします!
Commented by rumi at 2011-07-22 21:56 x
ブログ再開おめでとう!
紆余曲折を経て 結局この秋台湾にいくことにしました
龍山寺しっかりみてきます!
しきたりの違いや食べ物のオススメなどなど
なにかアドバイスあればまたおしえてください♪
Commented by norlie at 2011-07-24 22:21
> rumiさん、こんばんは!
コメントをどうもありがとう!
以前、茶語で話してくれた秋の旅行は台湾になったのね!
羨ましい!

私が行ったのは春だったけれど、秋には秋の美しさがあるんだろうなあ。
龍山寺は、台北の中心地周辺に在るので、きっと行きやすいと思います。
人は多いですが、台北の市井の暮らしが垣間見れて、楽しいと思うよ!

他にも、次の日記で紹介している太魯閣渓谷という観光地もとてもおすすめです。
一日ツアーになってしまうけれど、台湾随一の景勝地なので、時間があったらぜひ行ってみてね!

それからそれから!今回の旅では行けなかったのですが、九份(きゅうふん)という町もとてもオススメです。
ジブリの「千と千尋の神隠し」の舞台となった場所で、私もすごく行きたかったのですが、今回は時間がなくて行かれず…。
rumiさんが行けたら、ぜひぜひ感想を教えてくださいね!

今度お茶をするときにでも、ぜひおしゃべりさせてくださいなー!楽しみにしています!
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