太魯閣渓谷@台湾
2日目、終日かけて遠出した場所は、太魯閣渓谷(タロコ渓谷)。
台北から東に、飛行機で約30分。花蓮空港からバスでさらに約30分くらいの場所にある。
国立公園にも指定されている、台湾随一の景勝地は、見上げてもなお、雲に隠れてしまうほどの大きな奇岩怪石の峰が連なる、不思議な場所だった。

バスに揺られながら、花蓮の町を通り過ぎ、徐々に緑深い山地に入っていく。
やがて見えてくるのは、水の流れが刻まれた、美しい絶壁。
その間を、綺麗な翡翠色の渓流が縫うように流れていく。

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この渓谷は、立霧渓(たっきりけい)という河が、とても長い時間をかけてゆっくりと大理石の岩盤を浸食してできたのだそうだ。
ロッククライマーが登りそうなほどに垂直な岩壁は、まるでストンとおちる崖のよう。
都会の高層ビルよりも遥かに高いそれは、自然が作り出した、壮大なスケールの芸術作品みたいに感じる。
こんな果てしないものを作り出す力が地球にはあるんだと、圧倒される。


数時間かけて、バスに乗り降りしながら、渓谷の様々な場所を巡っていく。
どの場所でも、目前に広がるのは、圧倒的なスケールの巨大彫刻。
それも、人間の手では決して作れない、偶然が作り出した流線形の美。
うまく表現する言葉が出てこず、「すごい」とか「信じられない」とか、ずーっと感嘆ばかりを繰り返していたような気がする。

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太魯閣渓谷の終盤、天祥という場所に行き着く。
ここでは、祥徳寺というお寺に立ち寄った。
霧深い山の中腹に、ひっそりと佇む仏教寺院。
赤い橋を渡って、何段も何段も階段を上ると、白壁と大理石の廊下が美しい本殿へ辿り着く。
山の木々の間から、周囲を見渡すようにそびえる七重塔と、観音菩薩像。
山地特有の清涼な空気の中で、寂然とした佇まいが印象的だった。
山々に囲まれた、小さな峰のてっぺんに在るので、「天空」という言葉がふっと頭をよぎった。
寂しさだけじゃなく、静けさだけじゃなく、「天空」と言う響きが持つ、なんだか綺麗で明るいイメージがあった。


太魯閣渓谷。
訪れるのは一日がかりだけど、その価値がある景勝地。
自然の力強さ、繊細さ、壮大さ。そういうものが、アジアならではの幽玄な美と共存する大渓谷。
今でこそまだ世界遺産には指定されていないものの、そうなる日も近いのではないだろうか。
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by norlie | 2011-07-24 22:05 | 台湾旅 | Comments(6)
Commented by infoitalia at 2011-07-24 22:55
norlieさんのブログを拝見すると、美しい文章と写真にすっかり惹きこまれて自分がどこにいるのかを忘れてしまいます。

奇岩怪石、改めて自然の力は凄いと思います。1日かけてノンビリと景観を愛でるといった贅沢な時間の使い方、さすがnorlieさんですね。ところで、読み終わった後に安らかな綺麗な気持ちになりました、ありがとうございます!!
Commented by non at 2011-07-25 16:36 x
norlie さんお久しぶりです^ ^
ブログ再開されて、またおジャマする楽しみが増えました。
ご旅行なさってたんですね。以前と変わらないきれいなお写真と
norlie さんらしい語り口、何だかちょっぴり懐かしい(笑)!

台湾と言うと、街中での食べ歩きや買い物の印象がありますが、
自然豊かな場所を楽しむこともできるのですね。
そういう場所を訪れて感動なさっているのもnorlie さんらしいなぁ、なんて思いました。
わたしも機会があれば訪れてみたいです^ ^
Commented by norlie at 2011-07-26 21:55
> infoitaliaさん、こんばんは!
コメントどうもありがとうございます!

1日かけてのんびり…。確かに、意識していないのですが、なぜだかいつもそういう旅になってしまう気がします。
あまり、いそいそと制限された時間内で行動するのが苦手みたいで(苦笑)
イタリアへ行ったときも、シエナで1日のんびり、ローマのコンドッティ通りで1日のんびり…といった、のんびりコースばかりでした。
でも、そのせいか、いつも一度の旅行で訪ねられる場所が人より少ないんですよね…。同じ場所を何回も何回も訪れて、やっと人並みにいろいろ見れたなあって思うことばかりです。
これから年を取ったら、もっともっとのんびりになってしまいそうですね(笑)
Commented by norlie at 2011-07-26 22:01
> nonさん、こんばんは!
お久しぶりです!またいらっしゃってくださって、ありがとうございます。
私もnonさんのお花を見て、「ああ、懐かしい!」って思いました!
でも、コメントにも書かせていただいたのですが、なんか以前にも増して、プロっぽい雰囲気になっていることに驚きもしました!
確実に一年経ったのだなあって!

私も、台湾では、買い物やお茶や市場など、パワフルな旅を予想していました!
一緒に行った友人が、こういう自然景観が好きな人だったこともあって、ここに来られたのかもしれません。
もしnonさんと台湾に一緒に行ったら、台北でセンスのいい雑貨やお花を見つけてくれそうだなあって思います!

太魯閣渓谷は、同じアジアでも、日本にはないような絶景で、とても楽しかったです!
台湾に、もしゆっくり行かれることがあったら、ぜひ訪れてみてくださいね!
旅行者が自分で行くとなかなか大変な場所のようなので、現地ツアーなどに参加されるのがよいかもしれません。
Commented by popoki1202 at 2011-07-30 16:06
岩の風景が、アジアっぽい雰囲気ですね~。
お寺の赤い提灯が、かわいらしくて新鮮!
norileさんの旅の風景を切り取ったお写真と文章、
楽しみです。
Commented by norlie at 2011-07-31 14:52
> popokiさん、こんにちは!
この岩壁の雰囲気や、木々の感じは、本当にアジアだなあと思いました。
同じような渓谷は日本にもありそうなのに、やっぱりどこか日本とは違う。その理由がわからなくて、自分でも不思議でした!
どこが違うのかなあ??

山の上にあるお寺は、建物の白さと、提灯の赤と、山の緑のコントラストがとても綺麗でした。彩度の高いですよね。
太魯閣渓谷にも渓流がたくさんありましたが、自分がよく知る奥入瀬を何度も思い出しました。
雰囲気は違うけれど、どちらも良い場所だなあと思います。

旅って、本当にいいですよね。
生きている限り、旅をしていたいです!
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