十和田湖冬物語 2013 - 昼 -
吹雪の中、会場へ入ると、風雪の向こうから和太鼓の響きが聴こえて来た。
秋田・男鹿半島の和太鼓チームが、この大雪の中で和太鼓のバチを振るっているのだった。 その寒そうな半袖の法被姿の勇姿と、ドンドンとお腹に響く力強いリズムに感動しながら、しばしステージに寄ってパフォーマンスを眺める。 会場には、自分達以外にも20人ほどの人が来ていた。この吹雪の中でも来る人は来るんだなあと感心してしまう(自分達もだけど)。 演奏が終わった後は、ゆきあかり横丁で昼食。 石油ストーブで暖まった部屋で、青森市の名物・味噌カレー牛乳ラーメンを頂く。 すごい名前だと思いながら、名前のイメージに引っ張られないよう(特に"牛乳")、心を無にして頂くとなかなかに美味しい。何とも奇妙な美味しさ・・・。 その組み合わせはどうよとずっと思っていたが、まろやかなスープが身体に染み渡り、ほっこり温まっていく。 暖気に曇った眼鏡と湯気の向こうで、味噌カレー牛乳ラーメンが「おんでやんせ〜」と言っているような気がした(津軽弁ではなく南部弁だが、ここは十和田なので良しとする)。 外は相変わらずの吹雪のため、食事の後はかまくら酒蔵へ入ることにした。 かまくらの中にこたつが設置されており、暖をとれるようになっている。 ホットカルピスを頂きながら、ひと休みする。 雪が少し弱まったので、乙女の像を見に行くことにした。 乙女の像もれっきとした冬物語のイベントスペースのはずなのだが、さすがにこの日は除雪が追いつかなかったようで、除雪を諦めた様子。 神社を通る道がすっかり雪に覆われている。ざっくざっく、ギュッ、ギュッと雪を踏みしめながら進む。 やがて乙女の像が見えてくると同時に、湖からの風雪が一層強くなった。 吹き付ける風雪の中、すっくと立つ乙女の像の寒そうなこと。 その向こうには、シンと静まり返った真冬の十和田湖が見える。 湖は凍っているようだった。氷結した湖面に雪がつもり、真っ平らな雪原のようだった。 十和田湖は毎年訪れるのだが、前回乙女の像へ来たのがいつだったか実は覚えていない。 宇樽部や西湖畔ばかり行ってしまうので、休屋へはあまり寄らないのだ。 とんだ吹雪の再会になった乙女の像を見ながらなんだか苦笑してしまった。 何もこんな日にくることはないでしょうに、と言われているようで。 ええ、ええ、我ながらすごい日に会いに来たもんです、と思いながら、この終わりのない吹雪を眺める。 ずっと立っていると自分のほうが埋もれてしまいそう。 乙女の像に背中を見送られながら、もと来た道を引き返す。 ざっくざっくざっくざっく。 今度は春にいらっしゃい。 そんな乙女達の声が聞こえてくるような気がした。
by norlie
| 2013-03-03 15:36
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