散歩の後はアップルパイを - 奥入瀬渓流 -
十和田湖から石ヶ戸へ向かう途中、再び岩菅の滝を過ぎたところで車を降りた。
帰りは、第2ルートと定義した奥入瀬渓流前半を歩く。

時刻は17時近く。日の長い時期なのでまだまだ空は明るいが、昼に歩いたときとは渓流の色合いが全く違う。
昼間、燦々と降り注ぐ陽光を受けて、黄緑色の光に包まれていた渓流は、今はまるで青い帳が降りたよう。
さやさやと聴こえてくる葉ずれの音と、心地よい水音の中、ブルーグレーの森の中を歩き出す。

奥入瀬渓流前半にあたるこのエリアで、石ヶ戸へ向かって最初に登場するのが白布の滝。
奥入瀬渓流には白糸、白絹、白布という3つの白シリーズの滝があるので、いつもどれがどれかわからなくなる。
白糸の滝は何度も見たことがあるが、白布の滝へ来るのは随分久しぶりのこと。

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生茂る森の奥に、はっきりと落差の高い滝が見える。
遠くにありながらもしっかりと滝の流れが見えるので、なかなかの見応え。

日が傾いて、ほとんど陽光が差し込まないこの陰りは、奥入瀬渓流の本来の姿だと思う。
もともと生い茂る木々で日当りの悪い場所だからこそ、多くのシダ植物や苔植物が自生し、原始的な風景を作り出す場所だ。
まるで原始の森を歩いているような気持ち。

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先へ進むと、奥入瀬渓流前半部のハイライト、雲井の滝へ到着。
滝壺まで歩いていくことができ、マイナスイオンを存分に浴びることができる。
見上げるような高さからごうごうと流れ落ちる滝は、二段に分かれていてとても美しい。
滝壺の近くに倒れている苔むした丸太がまたとてもいい雰囲気を醸し出している。

奥入瀬に来ると、雲井の滝には必ず寄る。それほど大好きな滝だ。
この大好きな滝の上流には、さらに大好きなもう一つの滝、双竜の滝が存在する。
この双竜の滝がまた奥入瀬随一の素晴らしい滝なのだけれど、如何せん行くのに時間がかかるため、この日はお預け。また来よう。

昭和池や九十九島の独特の自然美や、ピンクの花の可愛らしさに心惹かれながら、阿修羅の流れまで到着。
静けさに包まれた深い森を歩いているようで、とても心地よかった。

本当はこの先、馬門岩を過ぎて石ヶ戸まで歩こうと思っていたのだけれど、その区間は距離の割にあまり見所がないので、ここで本日の散策は終了。
代わりに、たくさん歩いていい感じにお腹が空いてきたので、奥入瀬渓流ホテルのカフェに寄ることにした。

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以前は奥入瀬渓流グランドホテルだったが、現在は星野リゾートに再建され、とても素敵な感じにリノベーションされている奥入瀬渓流ホテル。
このラウンジには岡本太郎の彫刻作品『森の神話』という大暖炉がある。
見るのは初めてだったが、想像していた以上に巨大な暖炉。大迫力だ。
岡本太郎独特の力強さとユーモアがあって、今見ても十分に新しい。その感性はやはり偉大だと思う。

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その大暖炉の下、窓辺に奥入瀬の森が見えるソファに腰掛けて、『森のアップルパイ 〜夏バージョン〜』を頂く。
フランボワーズとオレンジソースの甘酸っぱさが、歩き疲れた体に心地よく染み渡る。
そしてアップルパイの優しい甘さ。うーん、美味しい!

ラウンジには浴衣姿の泊まり客もちらほら見えた。奥入瀬に泊まるなんて羨ましい。
そういえば、夜の渓流や十和田湖は見たことがない。夜明けの渓流や、朝焼けの湖も。
まだまだ見たい景色や知らない景色がここにはあるのだ。
両親にはなかなか賛成してもらえないのだが(近いんだから家に帰りましょうと言われる)、やっぱり奥入瀬や八甲田にも今度泊まろう、という気持ち新たに帰途についたのだった。
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by norlie | 2013-07-27 21:49 | ぷらっと青森
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