夕暮れの横浜散歩
ブログを見直してみても、山手や中華街、山下公園の写真が多く、赤レンガ倉庫やみなとみらいはここ数年全く写真がない。 行く機会がないというわけではなく、むしろ日常的に行く場所なので身近すぎるからなのかもしれない。 みなとみらいや赤レンガ倉庫など、いかにも横浜という感じの写真を撮ろうと思って、まずは馬車道へ向かった。 日暮れ前のマジックアワーが始まる頃、馬車道を降りて赤レンガ倉庫へ向かって歩く。 馬車道から赤レンガ倉庫に向かう途中にある万国橋は、眺めの良い撮影ポイントとして有名。 ランドマークタワーやコスモクロック、クイーンズスクエアといった、みなとみらいの景色が一望できて、それらのビルが綺麗に水面に映る。 ここはいつ来ても気持ちいい。万国橋は石造りのアーチ橋でとても雰囲気がよく、人もそれほど多くない。 広い運河には視界を遮るものはなく、抜群の構図でビルが並び、右手には観覧車。 うーん、とても"みなとみらい"らしい景色。 冬のこの時期、赤レンガ倉庫前ではアートリンクという小さなスケート場がオープンしていて、子供から大人までたくさんの人が滑っている。 競技用のリンクではないので、かなり狭くて、それに比べて人口密度はかなり高い。 今にも転びそうな人達もいるので、見ているほうもちょっとハラハラドキドキ。 一方、おそらくスピードスケートを嗜んでいたのではないかと思われるおじ様の優雅な滑りや、ホッケー経験があるのだろうと思われる男の子達の華麗なブレーキなど、見ていてとても胸がすく。 私もまた滑りにいきたいな。 赤レンガ倉庫まで来るのは久しぶりだなあと、なぜかしみじみ。 暮れなずみ、日暮れの色と夜の紺色が混じり合う空の下、コートの襟を押さえながら、海に向かって歩く。 ネイビーの下に、日本郵船の二本の赤いライン『二引きの旗』のファンネルマーク。飛鳥IIが来ていた。 国際客船ターミナルの反対側には、飛鳥IIより一回り小さい客船にっぽん丸も停泊しているのが見える。 この日は飛鳥IIとにっぽん丸が揃って停泊する日だったよう。 実は昨年1月にも多分同じ日(第2週の土曜日)に、私は偶然ここに立ち寄って、この2隻の客船の出港を見送った。 思いがけず、1年後の同じ日、同じ時間帯にここへ来られたことにちょっとばかり幸運を感じる。 2015年現在、日本最大の豪華客船である飛鳥II。 多くの旅人を乗せて世界中を航海するこの客船の船籍港は横浜だ。 だからこの客船が大さん橋へ帰ってくると、横浜の多くの人が「おかえり」という気持ちで迎え入れる。 観光客も混ざって、入港時や出港時、多くの人が手を振る光景はもうすっかり日常的になっていて、私は手を振るのも、手を振っている人達を見るのも大好き。 皆、本当に希望に満ちたいい表情をしていて、胸がいっぱいになる。 17時、にっぽん丸が先に汽笛を鳴らし、出港する。 続いて、飛鳥IIの大音量の汽笛が横浜港に鳴り響いた。 タグボートに先導されて、ベイブリッジの方角へ旅立っていく。 寒い中、たくさんの人達が客船に向かって手を振っている。 手を振っていない人も、飛鳥IIの方向を一心に見つめている。 客船からも多くの乗客が笑顔で手を振ってくれる。 このひとときが本当に好き。一つの船が、皆の心を結ぶ。 大さん橋からのみなとみらいの夜景は横浜撮影の定番中の定番。やっぱりとても美しい。 いかにも横浜と言った感じの風景をカメラに収めるのが今日のテーマなので、ここで写真をぱちり。 ランドマークタワー、コスモクロック、インターコンチネンタルホテル、赤レンガ倉庫。 バランスよく並んだ建物を中心に、光の街が海に浮かび上がる。 この数年でみなとみらいもだいぶ建物が増えて、多分この景色も少しずつ変化しているのだろう。 私もこの街に来て14年目。すっかり馴染んでいる。 だけどこの景色を見ると、初めて横浜へ来た頃の気持ちが鮮明に蘇る。 単身上京してきて心細い大学生活の始まりの頃。 みなとみらいの景色を見て、どれだけ気持ちが前を向いたか。希望に満ちたか。 この景色はそれ以来ずっと心の拠り所になっていると思う。 この風景を見る度にその頃の気持ちを思い出せる。それはとても幸運なこと。 だから時々こうやって、大好きな景色を眺めにこよう。
by norlie
| 2015-01-17 17:53
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