瑞祥茶庄@中国・大連
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友好広場の角に、そのお店がある。

小さめの扉を開けて中に入ると、暖かな空気と、お茶の香り。
店の中はお世辞にも広いとは言えないけれど、奥のほうに1つだけあるテーブルの周りは、驚くほどたくさんのお茶と、茶器に囲まれていた。

入口を入って右側には、ばら売りの茶器。
まだ開けていない在庫品の箱もちらほら見える。
奥に行くと、セットの茶器も置いている。品揃えもいいし、品もいい。

左側の棚には、お茶の入った大きな缶が雑然と並べられていた。よく見ると、手前から、茉莉茶、工芸茶、白茶、緑茶、青茶、紅茶、黒茶の順に並んでいた。



一緒に出張した先輩は、4、5年前にも、仕事で大連に長期滞在した経験のある人。
その彼が、以前の滞在の際に、よく一人で通っていたというそのお店。
実際に行ってみて、私もすぐに、その良さがわかった。
他のお店ではなかなか見つからなかった白茶がすぐに見つかったこと。
大型チェーン店の、次から次へと高価なお茶や茶菓子を勧められる、あの落ち着かないプレッシャーもなかった。

二週間の滞在の間、すっかり行きつけになったそのお茶屋さんの名前は"瑞祥茶庄"。
「瑞」はめでたい、「祥」は兆し・・・の意味なんだそう。店員さんの一人が日本語で教えてくれた。

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大連のお茶屋さんはたくさん試飲させてくれる。
それがもう、一杯のみならず、じっくり何煎もいれてくれるものだから、カフェでお茶をするのと同じくらい長居させてもらえる。

とても自然に、ゆったりと時間が流れていく、その心地よさ。
凍える体にすーっと沁み渡る温かいお茶。
ローテンションの優しい会話。
外の喧噪も、零下の空気も、この店の中には入ってこない。
暖かさで満ちた店内は、本当に居心地がいい。



彼女たちの上司である店長さんは、落ち着いた優しい雰囲気の、素敵なおじさん。
日本語もとても上手で、お茶の背景や由来、茶園のお話などを滔々と語ってくれながら、少しも手を止めることなく、絶妙のタイミングでお茶をサーブしてくれる。
同僚の彼が、以前一人で来た時も、その店長さんがお茶を淹れてくれたんだそう。ずっと思い出に残っていたらしく、彼は大連に来る前からその話をしてくれた。

最終日、そのお店に最後に立ち寄った後、先輩が言った。
「あの店長さん、前と外見は少し変わっていたけれど、話したらすぐにわかった。昔と全然変わってなかったよ。数年前も、ああやって話しながら、どんどんお茶を入れてくれてさ。それが本当においしかったよ。」

懐かしむように言った先輩の顔をみて、私もつい嬉しくなった。

「思い出の人に会えてよかったですね」
いい思い出と再会した人の顔は、とても優しい顔になる。
そこに立ち会えたことに、少し感謝する。

私もいつか、この思い出と再会できるといいなあ、と思いながら、空港に向かうタクシーに乗り込んだ。
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by norlie | 2009-02-08 22:52 | 中国旅 | Comments(6)
Commented by pocchi-8 at 2009-02-09 14:55
「コレ、イイヨ、ヤスイヨ」の連発で、買うより先にお誘いをかわすことに
疲れてしまった成都とは違って、大連にはゆったりした時間が流れてるようですねぇ。
いいひと時を過ごされたようでよかった・・・。
ところで「白茶」ってなんですか?
緑、紅のほかに白もあるんですか?
まったく想像がつきません(笑)。
大連レポートはもうおしまい?
私も一緒に旅行したような気分でしたよ。
ありがとうございました。
Commented by satsukim-l at 2009-02-10 22:42
こんばんは!
素敵な人やお店との出会いがあったようですね^^
norlieさんのブログを読んでいると、人との出会いとかをよく考えます。
なんだか私も中国茶が飲みたくなってきました~
一枚目のお写真はどんな場面なのでしょうか・・・お茶を入れているところ
ですか?ビーカーに見えて・・・しま・・う私><;
中は、お茶をいれたら花が開く・・・ってやつでしょうか?知識がなさすぎ
て・・・(_ _;)
私も心あたたまるレポートありがとうございます。
Commented by non at 2009-02-11 16:34 x
中国茶いいですね~♪
中国茶飲むと、ホワンと酔っぱらったような気分になることあります。
お茶を淹れてくれる時の優雅な手さばきのせいですかね??
写真とてもきれいです。
いろいろなお茶の葉が並んでいるだけで絵になりますよね。
そして旅先での出会い素敵ですね!

↓のマトリョーシカ、マトリーショカと間違えて書いてしまいました!
よく間違えます(笑)。
Commented by norlie at 2009-02-11 23:11
> ポッチ~さま、こんばんは!
「コレ、イイヨ、ヤスイヨ」って・・・(笑)
文字で見ると、すごく面白いです…笑っちゃいました。

そうそう、「白茶」のこと。
一般的にみんなが知っているお茶だと、緑茶、青茶(ウーロン茶など)、紅茶かなと思いますが、他にも黄茶、白茶っていうのがあるんだそうです。
緑茶は、発酵させないお茶。
青茶は、半分くらい発酵させたお茶。
紅茶は、完全に発酵させたお茶。
そして、私が探していた白茶は、緑茶と青茶の間くらいの発酵度のお茶です。

って、ちょっと難しい説明でしたが、私の個人的な所感だと、白茶は、後味がまろやかでほんのり甘い感じかなあと思います。
部屋でリラーックス!というときに、いつも飲んだりしています。パンチはないけれど、優しい味です。水色もうすい黄緑色で、綺麗なんですよ。
日本では、中国茶専門店のようなところでしか売っていないのですが、ポッチ~さまも、もし見つけたら、飲んでみてくださいませね(^^)

大連レポート、これで旅のできごとは終わりなのですが、まだ少しだけ写真が残っているので、あとちょっとだけ・・・。
お付き合いくださると、嬉しいです☆
Commented by norlie at 2009-02-11 23:37
> satsukim-lさま、こんばんは!体調お変わりありませんか?
satsukim-lさんは元気が一番!旅のお写真を観ていると、元気に散歩している感じが伝わってきます(^^)

人との出会い、本当に不思議で、魅力的で、面白いものですよね。
旅先での出会いは、文化も生き方もまるで違う人との出会いなので、ちょっとわくわくします。
出会いと言えば、satsukim-lさんとの出会いも、よく覚えてます。
「私の写真が、あなたの心に響いたならば嬉しいです。」
その一言に、ぐっときて、ブログの写真にじーんとしたのでした。

そうそう、一枚目の写真は、"工芸茶"です。
「お茶をいれたら花が開く」・・・そのとおり!
小さく丸い形に整えられた緑茶を、コロンと茶器に入れて、お湯を注ぐと、ゆっくりと緑茶が花のように開いていって、中から綺麗な花が現れる・・・中国茶ならではのお茶です。
ちなみに、この写真のお茶は、「七仙女」という種類です。

「ビーカー」って、確かに!理科で使ったビーカーに見えますね!
下にアルコールランプとかありそうです(笑)

もしどこかに中国茶のお店があったら、ぜひ飲んでみてくださいね。
Commented by norlie at 2009-02-11 23:46
> nonさん、こんばんは!
nonさんも、中国茶飲まれるのですね~♪
本当においしいですよね。それに"ホワンと酔っぱらった気分"って、すこしわかるかも!
ゆったりと時間が流れていくんですよね~。そして、まるで日本酒のお猪口のように、ちびりちびりと飲んでいくあの感じ(笑)

お茶をサーブする手さばき、あれだけは本当に世界各国どのお茶も、とても優雅だと思います。
英国紅茶の、とても上品な振る舞いも好き。
中国茶の、丁寧で流れるようなあの手捌きも。
日本のお茶の、あったかくもてなされるような、あの雰囲気も。
他にも、ベトナムの蓮茶、インドのチャイ、とにかくどのお茶の淹れ方も、特徴があって、面白いです。
すべてに共通しているのは、相手をもてなす気持ち。だから、お茶って本当に心があったまりますよね。

"マトリーショカ"、読み返すと確かに!
私、少しも気づきませんでした!先入観ってすごい!
意味を、nonさんと共有していたせいか、私の目には"マトリョーシカ"と映っていました!(笑)
ありがとうございます。
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