カテゴリ:ぷらっと関東( 4 )
 
なめこ汁と高尾山
高尾山山頂から10分くらい歩くともみじ台に着く。
その先の一丁平を越え、城山や影信山、堂所山を通って陣馬山まで行くルートは奥高尾と呼ばれ、約5〜6時間かかる。
山頂でご飯を食べ終わったのは14時過ぎのことだったので、今回はそのルートへは行かず、もみじ台で少し休んで1号路を引き返すことにした。

もみじ台に、おいしいなめこ汁をいただける茶屋があると聞いて、ずっと行ってみたいと思っていた。
細田屋というそのお店へ行ってみると、お店は大繁盛。
たくさんの人が木の長椅子に座って、なめこ汁やお蕎麦を頂いていた。
幸い、昼を大分過ぎていたこともあり、20分待てばなめこ汁を頂けるとのこと。
少し待っていると、長椅子の席が空いたので、腰を下ろすことにした。

e0048530_21595667.jpg


長椅子に腰を下ろすと、ちょうど富士山の方角に太陽が来ていた。
昼過ぎの、少し西に傾いた日差しが降り注ぎ、背中を向けて座っていると、ぽかぽかととても心地いい。
大学生くらいの男女3人が、しきりに「あー気持ちいい、背中がめっちゃぽかぽかする。あー最高」と言っていて、その平和な光景に思わず笑みが零れた。

お日様に背中を預けて、山のほうを向いてみると、黄金色に染まった木々と、真っ赤な紅葉の対比がとても美しかった。
日溜まりの中、こんなに色鮮やかな秋の木々に囲まれて、背中はぬくぬく、体はぽかぽか。
長椅子の座布団に座って、なめこ汁を待つ時間の緩やかさはとても心地いい。
そういう時間をそこにいるたくさんの人達と共有できるのは都会の山ならではだなあと思った。
田舎の大自然独り占めもまた最高だけれど、こんなふうに大勢の人達と同じ時間を共有するというのもなんだか人情味があって、いいもんだなと思った。

e0048530_22143463.jpg


15分くらいで「12番さーん」と呼ばれた。
私の札の番号だ。
人混みを縫って受け取りに行くと、四角いお盆にのった焦茶色の大きなお椀を手渡された。
お椀の中にはなめこ汁がなみなみと入っていて、「お盆が滑りますから気をつけてね」と言われた。
せっかくのなめこ汁を落とすものかと、そろそろゆっくり歩いて、やっと自分の席に戻ってきた。

なめこ汁は熱々で、大きなお椀からゆらゆらと白い湯気が昇っている。
三つ葉がたくさん散らされていてとても美味しそう。
少し啜ってみると、茸の風味とお味噌の香ばしさが口に広がって、その後、喉から下に熱いお味噌汁がじんわり落ちていった。

鮮やかな紅葉と山々の稜線、そして富士山を眺めながらいただくなめこ汁は美味しさも一入。
なみなみたくさんの量が大きなお椀一杯に入っているところも、とても嬉しい。
海で頂くあら汁がとっても美味しいように、山で頂く茸汁もきっと二割増に美味しいに違いない。

e0048530_2228024.jpg


もみじ台を後にして、帰りの1号路へ向かった。
途中、薬王院を通ると、見事に染まった紅葉があちこちに葉を揺らしていて、なるほど、これは文字通りのもみじ祭りだと思った。
木の種類が統一されているようで、どれも一斉に染まっているように見えた。

薬王院の建物に、時には寄り添うように、時には覆い隠すように佇むもみじは、着物のように雅で美しい。
どの木々もとても立派で、改めて、高尾山って自然豊かな山なんだなあと再認識した。

e0048530_22415966.jpg


薬王院を過ぎてもう少し降りると、関東平野を大きく見渡せる場所に出る。
そこからは私が日頃暮らす、東京や横浜が見える。
遠くにすっと建つ大きなビルは、裾が広がるその独特の形からすぐにランドマークタワーだと分かった。
あの麓に自分の家があるのだと思うと、なぜか少しほっとした。

ランドマークタワーの向こうに、背の低いなだらかな山が見える。
横浜の向こうに山なんてあったっけ、と思ったら、それはどうやら千葉の房総半島とのこと。
こうやって見ると、東京湾はとても小さく、神奈川と千葉は湾を挟んでなんて近いのだろうと思った。
今度行ってみようかなと思えてくる。

普段から気づいていたことだけれど、こうやってみると改めて実感するのは、関東平野はまさに文字通り平野なんだなということだ。
横浜で暮らして、電車に乗ったりしていて、いつも不思議に思っていたのは、どちらの方角を見ても山がないこと。
私が生まれ育ったのは港町だが、それでも背の低い町の向こうには山が見えて、あるいは別の方角の遠くには八甲田山系が見えた。
それは車で岩手にドライブしても、秋田へ行っても、北海道へ行っても同じで、どこにいても、どこかの方角には山の稜線が見えた。
山形や長野ほどの大きな山に囲まれている訳ではなかったけれど、それでも山の稜線は見えて当たり前の風景だった。

だけど、東京や横浜で電車からずっと遠くを眺めても、山の稜線なんてどこにも見えない。
横須賀線から、少しだけ背の低い山の稜線が見えたときは随分感動したことを覚えている。
あの山はなんだろう? どこの山なんだろう?
東京で初めて見た、そして唯一見えた山の稜線にとても興味を持った。
その山こそ、この高尾山を初めとする山々だ。

e0048530_23332345.jpg


紅葉美しい高尾山。
予想以上に色鮮やかで、紅、緑、黄と美しい3色入り交じった華やかさはとても見事だった。
大混雑ではあるけれど、これを見るために毎年来てしまう人の気持ちはわかるなあと思う。
元気が出る、そんな色合いの高尾山。今度は陣馬山までの縦走コースに挑戦してみたい。
[PR]
by norlie | 2013-11-29 22:00 | ぷらっと関東 | Comments(6)
 
紅葉の高尾山・稲荷山コースへ
2ヶ月続いていた咳喘息がやっと治り、引きこもり生活で鈍っていた体の訓練も兼ねて、高尾山へ行って来た。

折しも高尾山は紅葉真っ盛り。
もみじ祭りが開かれており、紅葉が見頃を迎えた時期の、晴天の週末とあって、高尾山口へ向かう京王線は通勤電車並みの大混雑だった。
ケーブルカーやリフトの1、2時間待ちに加え、ほとんどのトイレが30分〜1時間待ち。
主要登山道の1号路は行列を作らんばかりの大混雑ということで、なんというか、首都圏恐るべし・・・というのを改めて認識した一日でもあった。

e0048530_18402537.jpg


全ての登山ルートの登り口となる山麓駅の広場の木々も、紅、黄、深緑と三色美しく紅葉していた。
リフトやケーブルカーを待つ人と、お弁当を買い込む人でごった返してはいたが、こういう綺麗な紅葉が見られると、「ああ、来た甲斐があるなあ」と思ってしまうのだから、自然の美はすごい。

1号路のひどい混雑ぶりはわかっていたので、今回は稲荷山コースで登ることにした。
横4〜5人の列をなして人の波が向かって行く1号路を尻目に、清滝駅の脇から稲荷山コースに入る。
稲荷山コース方面はひっきりなしに人が登って行くものの、1号路と比べると大分余裕があるのを見て、とてもほっとした。

段差の高い階段を少し上ると、やや広い踊り場に出る。
黄色い紅葉が天を覆って、風が吹くとひらひらと舞い落ちる光景に、しばらく目を奪われた。
今年は紅葉を観に行けないかと思っていたけれど、間に合って良かったと思うことしきり。

e0048530_1847243.jpg


高尾山口から山頂まで登る登山道は、全部で3ルートある。

コンクリートで舗装された1号路。
高尾山のパンフレット上では、難易度"2"となっている。
薬王院などの観光地もこのルート沿いにあるので、多くの人がこのルートを使う。

それから、びわ滝が見所の6号路。
ここは沢沿いに進めるルートなので、夏場はとても涼やかで気持ちいい。
パンフレットでは、難易度"3"がつけられている。
少し狭い道なので、11月の繁忙期は上り専用になるルートである。

そして、今回私達が登った稲荷山コースは、難易度"4"。
山頂までのルートでは難易度が一番高く、「本格的な登山が味わえる」と書いてあるのがこのルート。
私も、今回が初めてだった。

さて、そんな稲荷山コースを歩いてみると・・・あれ、意外と疲れない。

実は、前回1号路を登ったときは、金比羅台というところまでの序盤の坂道がとてもきつく感じて、脚も上がらないような状態になった。
金比羅台を過ぎれば、なだらかな道が続くので、苦労した記憶はない。
けれども、とにかく金比羅台までがとてもしんどかった。
最低難易度のルートも登れないほど、自分はそんなに体力がないのかと少しショックを受けたことを覚えている。

そういうこともあって、今回の稲荷山コースは登れるか不安があったのだけれど、意外なことにほとんど疲れなかった。
段差の高い階段道や、木の根や瓦礫だらけの不安定な道で、なるほど少し登山っぽい気持ちを味わえる。
けれども、多くの人が来る山とあって、薮や草木が邪魔をするような道はほとんどなく、道幅も広くてかなり歩きやすい。
途中と、山頂の手前に勾配のきつい階段が出てくるが、少し休みながら登れば大丈夫だった。
尾根を登るコースなので、道の両訳に急勾配の斜面が見えたりもして、見晴らしの良い、とても気持ちいいコース。

e0048530_1974122.jpg


山頂手前の階段では、頭の上に紅葉のトンネルができているみたいで、点描のような美しさだった。
その美しさにもまた少し背中を押され、楽しんで歩くことができた。

今回、稲荷山コースを歩いてみて分かったのは、どうも私は1号路のようなコンクリート坂が苦手らしいということだった。
コンクリートの坂は、どこで止まっても足場が斜めなので、坂道を降りる車がブレーキをかけるように、常に足に力を入れていなければならない。
立ち止まっても、休むことができなかった。

でも、稲荷山コースのように階段道だったり、木の根や瓦礫の上を歩く場合は、一段登れば足場が平坦になるので、体を休めることができる。
それだけの違いが、自分にはとてもありがたい。

登山気分を味わえて面白いということももちろんだけれど、それだけではなく、稲荷山コースのほうが自分の体には合っているんだなと分かったのだった。

e0048530_19141828.jpg


写真を撮りながら2時間くらいで山頂に着いた。
山頂もまた、どの木々も色付き鮮やかで、溜め息の出る美しさ。
青空のキャンバスに三色の点描画が広がった。
元気が出るような明るい色合いに、胸がいっぱいになった。

山頂は、3つのルートからの登山客が合流する地点なので、再び大混雑状態だったが、もみじ台への道へ降りると少し余裕ができた。
空いているベンチがあったので、友達と二人、そこに腰を下ろし、持って来たおにぎりとウィンナーをのんびりと頂くことにした。
[PR]
by norlie | 2013-11-24 19:30 | ぷらっと関東 | Comments(6)
 
アルパカ牧場@那須の旅
クラレのCM"ミラバケッソ"でお馴染の動物、アルパカ。
学生時代、地理で南米の話が出てくると必ず登場する動物でもあり、私にとってリャマとアルパカといえば、アンデス文明の不思議な雰囲気そのままにミステリアスな生き物の代名詞でもある。
そんなアルパカに会える場所があると知ったのは去年のこと。
行ってみたいねえと、会社の友人達とお昼休みの度に話していたのだけれど、ついにそれが叶う日が来た!

栃木県那須町にある、『アルパカ牧場』。
東北自動車道、那須高原SAにあるスマートICを降りて、車で30分くらい。
受付を済ませると、とてもかわいいアルパカイラスト付きの入場券をもらえる。その入場券を首から下げて、いざ、アルパカの楽園へ!

牧場の中には、本当にびっくりするくらいたくさんのアルパカの姿。
様々な色のアルパカ達が、那須の雄大な山々を背に、ゆーったりのーんびりと過ごしていた!
人が来ても知らん顔で、のーんびり日陰で座っているアルパカ。
観光客に興味津々で、柵からうにょーんと顔を伸ばすアルパカ。
隣のアルパカに寄り添っては、ペッと唾を吐かれて、それでもなお追いかけるアルパカ。
本当に色々なアルパカが、あちらこちらでマイペースに暮らしていた。
e0048530_12543355.jpg

e0048530_1259487.jpg
e0048530_130533.jpg


牧場内では、土日限定のアルパカ記念写真や、お散歩コーナー、ふれあい広場などがある。

アルパカ記念写真では、モデルさんのアルパカが、ふわっふわに手入れされたまっ白い毛並みで出てきて、お客さんと順番に写真を撮ってくれる。
よく飼育もされていて、わりとカメラ慣れ(?)しているのか、いい表情をしてくれるアルパカ。
写真撮影に出てくるときと、帰っていく時の、このアルパカの走り姿はこの日、一位二位を争う愛らしさだった。
もこもこの体で、スキップ走りで帰っていく姿は、なぜかきちんと走っていてもぶきっちょの極み。
でもそれがとっても愛らしいのだ。

お散歩コーナーではリードをつけたアルパカを、10分間自由にお散歩させてくれるのだけど、これがとっても楽しい。
従業員の方が遠くで見ていてくれるので安心だし、比較的自由にアルパカと過ごすことができる。
私達のところに来たアルパカ"スワコ"ちゃんは、毛並みもふわっふわで、一緒に写真をとっても嫌がらずに良い顔をしてくれるいい子さん。
ふわふわもこもこの首に優しく抱きついても、いやな顔一つせず、懐いてきてくれた。
すっかり「うちのスワコ!」と、メロメロになってしまいました。

e0048530_1392241.jpg


アルパカのヘアは、触ると確かに、もっこもこ!ふっわふわ!
動物なのに、全然ごわごわしていない、とても良質な毛なのです。

そして、アルパカ一匹一匹、皆表情が違っていて、ヘアスタイルも様々。
ドレッドヘアのような子もいれば、ふわふわのカーリーヘア。
前髪の短い子、前髪で目が隠れている個性的な子もいる。

実際餌をやってみたときも、積極的に皆を押しのけてくる子や、首を伸ばすも他の子に負けちゃう子、後ろでおどおどしている子や、時機を見てさっと私の手から餌をさらっていく子…本当に様々。
だけど、良く人に懐いてくるところは皆共通していた。

e0048530_13241169.jpg


アルパカは、いつも普通のときでも、なぜか面白い変顔。
でもその垢ぬけないスマイルは、観ている私達もすごく癒してくれる。
変な顔なのに、全然面白いわけじゃないのかもしれないのに、口角をあげて笑うアルパカの顔を見ていると、スマイルの威力を思い知らされる。
"笑う"って、本当にそれだけで、心の黒い塊をゆっくりと溶かしていくんだなあって。

そして、大きな目で、不思議な生き物を見るような瞳で見つめられると、私自身も同じ距離から自分を見つめなおしているような気持ちになる。
自分という不思議な生き物を、変だなあと見るような気持ち。
自分の当たり前は、誰かの当たり前とは違うんだと、心から実感する瞬間。

これはアルパカに限らないことだけど、動物たちの無垢な表情や素直な目線は、ずる賢い私達人間の心の防御壁をあっさりと越えてしまう。
向こうは多分そういうことを求めているんじゃないのだろうけれど(餌が欲しいとか、遊んでほしいとか、ただの好奇心なんだろうけれど)、意図的じゃないからこそ、上手に壁を越えられるんだろうと思う。

ふわふわのもこもこのアルパカ達。
遠い南米から、アンデスの空気を纏って、那須高原に降り立った不思議な生き物たち。
とても楽しいリフレッシュタイムになりました!

------------------------------------------------------
アルパカ牧場 那須ビッグファーム
http://www.nasubigfarm.com/
〒329-3233 栃木県那須郡那須町大字大島1083
------------------------------------------------------

More
[PR]
by norlie | 2010-06-06 13:38 | ぷらっと関東 | Comments(10)
 
■ 温泉グルメ
 今年のクリスマスは温泉で過ごした。北関東は栃木、鬼怒川温泉。ちょっと奮発したこともあり、宿も温泉も食事もとても贅沢なラインナップで、大満足の3日間だった。

 本来の目的である温泉はもちろん、贅沢の極みは宿の食事。特に晩の食事は和食フルコースで、見た目も味もとても素晴らしかった!

 肉!肉!栃木産黒毛和牛の前に、目指せベジタリアンも断念。こんなに目の前でジュワーッとジューシーな肉汁を味わってしまったら、食べないなんて牛に失礼…というのは嘘で、本能に負けた一品でした。
 
e0048530_0343861.jpg


 赤身のお魚の刺身は見た目も華やかでとても綺麗。脂ののったとてもおいしいまぐろだった!普段、回転寿司の炙りサーモンを喜んで食べている私にはもったいない一品。大名行列をデザインした造りのお刺身は、トロにまぐろに…と私の大好きな「赤」づくし!
e0048530_034547.jpg


 たくさんの小皿に乗って出てくるのは日本料理の醍醐味。器の美しさや、小皿料理の調和は芸術的だなあと見とれてしまった。とはいえ、芸術より食い気…あっという間に平らげてしまったよ…。
e0048530_035216.jpg


 デザートは洋風。特に左下のブルーベリーのムースが大変おいしかったです。最後の最後まで美しさでも楽しませてくれたフルコース。一ヶ月分食べた気分だった!
e0048530_0344769.jpg



 和食より洋食を食べる方が普段は圧倒的に多いのだけど、日本料理はこんなにもスタイリッシュでおいしいのかとびっくりした。クリスマスにぴったりの贅沢な一夜を過ごすことができたのは、温泉グルメとしっぽり露天風呂と、一緒に過ごした大事な人のおかげです。とても楽しかった!
[PR]
by norlie | 2005-12-27 00:50 | ぷらっと関東 | Comments(7)