カテゴリ:イタリア旅( 8 )
 
■ 古都シエナ@Italy
e0048530_16352240.jpgフィレンツェから電車で向かった先、シエナ。
バスから降りて、古い町並みにうっとりしながら町の中心カンポ広場へ向かう。道の途中にあるサリンベーニ宮では、「勉強しなさい」みたいな風情の銅像が立っていた。

今でこそ、トスカーナ州の州都はフィレンツェだが、遠い昔、自治都市が群雄割拠していた中世時代、このシエナはフィレンツェを凌ぐ都だったのだそう。

中世において、教皇派の都市フィレンツェと肩を並べた皇帝派の都市シエナ。
モンタペルティの戦いで、フィレンツェに勝利し、フランス街道の中継都市として栄えたこの町は、トスカーナ大公国を興したフィレンツェと、最後の最後まで戦った都なんだそうだ。
次々と周辺都市を傘下に入れていくフィレンツェの最大のライバルでありながら、ペストの流行で市民が激減し、形勢は逆転。ついに、フィレンツェに敗北する。
この辺のコムーネ同士の争いの歴史は、何度読んでも面白い。

最後の最後まで抵抗したこの都市は、トスカーナに吸収された後、繁栄を阻害され、手酷い扱いを受けてきたという。
皮肉な事に、その歴史がこの古い町並みと独自の芸術を今に残したんだそうだ。
私が読んだ本には、「時を止められた町」とさえ書かれていた。
でも、フィレンツェや他都市とは異なるシエナ派の芸術も、古い町並みも、とても美しいと思う。ルネサンスの美術品よりもより空想的で幻想的な絵画もとても魅力的。何より、フィレンツェに最後まで抵抗した人々が守りたかったものが、この町にはある。

そんな歴史はあるけれど、現在のシエナはとても明るい雰囲気に包まれた大らかな町。
扇形の美しいカンポ広場には、犬を連れた旅行者やカフェで語らう地元の人が、いい具合の距離感で思い思いの休日を楽しんでいた。
トスカーナ州はドイツ人旅行者が多いと聞いてはいたが、カンポ広場で私たちがたまたま出会ったワンちゃん連れの旅行者の女性もドイツから来たと言っていた。口ぶりから、まるで「隣町へ来た」とでもいう感じだったのがとても印象深い。

e0048530_1642445.jpg町中に飾ってあったこのフラッグ。
シエナの中では、このフラッグの紋章をはじめ、いろいろな紋章をそこらじゅうで見かけた。
どうやら地区(コントラーダ)ごとの紋章らしい。
「自分の地区の旗を自分の地区で飾っているのかな?」なんて話しながらも、どこまで行っても飾られている旗はこのオレンジと緑の木一色。どうもそうではないらしい。

ショップでは、この紋章のシールなどもたくさん見かけ、パートナーのしょっしょは店のおじさんが呆れるほど買い漁っていた(笑)

旅をしていたときは、この旗の意味を知らなかった。後で調べてみると、年に一度開かれるシエナのお祭り『パリオ』(伝統的な競馬レース)にて優勝した地域の旗が、その次の『パリオ』まで町中に飾られるのだそう。
私たちが行ったこの年は、このオレンジと緑の木を紋章とするコントラーダが優勝した年だったんだなあ。



e0048530_16363817.jpgドゥオモの中に入り芸術品を鑑賞し、リストランテで美味しいトスカーナ料理を頂く。
カンポ広場で散歩をして、マンジャの塔を見上げ、ブッブリコ宮殿に入ってみて全コントラーダの紋章を見てみる。

時間の止まった町シエナ。
だけど、この町に息づく文化や人々は、活き活きとのんびりと生きている。
なんて幸せな休日。
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by norlie | 2007-08-25 16:39 | イタリア旅
 
■ トスカーナの車窓から@Italy
フィレンツェからローカル列車でシエナへ向かう。
車窓から見えるのは、小高い丘が連なるトスカーナの景色。
窓枠に切り取られたその景色は、まるで絵画みたいだと思う。

e0048530_18345248.jpgイタリアで、一番来たかった場所がトスカーナ地方。
数々の映画で見た、この絵のような景色を自分の目に映してみたかった。

トスカーナを舞台にした映画といえば、私にとってはダイアン・レインの『トスカーナの休日』。
そして、もう一つは母から教えてもらったソフィア・ローレンの『ひまわり』。
この地方は、再スタートの舞台としても、そして悲恋の舞台としても相応しい。

本当に、絵に描いたような風景。糸杉や、小麦色の家。
丘の上にそびえる城壁の町は、都市国家時代の面影を残す。
見渡す限り一面のヒマワリ畑は、さすがの9月で皆花びらを散らし、下を向いていたけれど、この丘が黄色いヒマワリで満たされるその景色が容易に想像できた。

トスカーナの歴史、トスカーナの農業、トスカーナの美味しい料理。全てが大好き。
いつかヒマワリが満開の時期にまた来よう。
いつかこの地方の小さな町を、車で巡ってみよう。
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by norlie | 2007-08-18 18:34 | イタリア旅
 
■ 出会いが繋ぐ、フィレンツェの一日@Italy
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朝、ドゥオモこと、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の前に立つ。
夜とは違う明るい白。壁に刻まれた彫刻を見ていたら、"Mille Fiori"と言う言葉が、ふと頭に浮かんだ。花の都フィレンツェの、花のような大聖堂。
ガイドブックを見て、『花の聖母』と言う名前だと知る。
当たらずとも、遠からず。

駅で、シエナ行きの切符を買っていたところ、後ろに並んでいた日本人女性と少し話をした。
聞けば、彼女は旅行者ではなくて、フィレンツェに在住しているんだそう。
フィレンツェ発の有名な帽子の老舗名店"GREVI"で働いていらっしゃるとのこと。

遠く離れた異国の地で、夢を叶えて暮らしている人の言葉に誘われて、立ち寄ってみることにした。

店内は、ニット帽が多かった。ハンティング帽もいくつか。
老舗のわりには、モダンなセンスのものも結構あって、若い人からお年を召した方まで、手に取れそう。『トスカーナの休日』のポジターノでダイアン・レインが被ってそう…と思わず思ってしまった麦藁帽子とか、キーラ・ナイトレイを始めとしたイギリス女優が良く被っているようなハンティング帽・ニット帽とか、私は結構気に入った。
バッグも扱っていて、緑の大きな肩掛けに、これまた大きな花のモチーフをあしらった一品には一目惚れ。

しばし、店でお話しすること数十分。
偶然店に入ってきた、別の旅行者も加わって、話が弾む。
「例のオリーブオイルショップ行ったんですけど、あそこの店長さん本当に素敵!なんといってもあの癒し系の雰囲気が!」
「でしょう?あそこのオーナー、本当にジェントルマンなんですよ」
今度は、その女性に道を聞いて、オリーブオイルショップへ。

e0048530_14171419.jpg石畳が続く、細い路地の角にある"LA BOTTEGA DELL'OLIO"。
こじんまりとしたオリーブオイル専門店だけれど、明るい店内と上質な品揃えが印象的なお店。そして何より、オーナーさんの人の良さそうなあの雰囲気!
はにかみ笑顔がとても可愛らしい、素敵なイタリア男性。
オリーブオイルや石鹸を一つ一つ丁寧に包んでくれるその様が、ここの商品は愛されているんだなあと、実感できた。

出会いが繋ぐ、フィレンツェの一日。
ヴェッキオ宮殿も、ウフィツィ美術館も見ていないけれど、とても楽しい一日になった。
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by norlie | 2007-08-12 14:18 | イタリア旅
 
■ 花の都フィレンツェへ@Italy
水の都ヴェネツィア、サンタ・ルチア駅からユーロスターに乗った私たち。
次に向かうのは、往路では素通りしたサンタ・マリア・ノヴェッラ駅。
花の都フィレンツェ。

昼過ぎにヴェネツィアを発ったので、フィレンツェに着いたのは夕方近く。
ホテルに着いて、荷物を置いて、少し休んで、さあ街に繰り出そうと思ったときには、すでに空は暗くなりかけていた。

外に出る。道路の脇の歩道を歩いて、中心街へ向かう。

歩いていたら、東京にいるような気分になってきた。
東京のような高層ビルはないし、行き交う人々も欧米人。
なのにどうしてだろう、と思って母へ携帯メールを打ちながら、その理由に気づいた。

道路の幅の狭さ。車の多さ。
細い道路に車のヘッドライトが川の流れのように連なっている。
歩道のすぐ脇を通り過ぎる車の排気ガス。
狭い道に車が連なる。前も後ろも車だらけ。
そんな中、携帯を片手にメールを打つ自分。

そうえいば、フィレンツェって都会なんだよね、と今更ながらに思った。
角を曲がればバールがあって、すぐにカプチーノが飲める。
デパートでコーヒー用のミルクウォーマーを買ったり、有名ブランドの服を買ったりだってできる。

その便利さにほっとする自分と、気を落とす自分がいて。
安心と不安を同時に覚えて。
ちょっと面白かった。

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細い路地を歩いていくと、開けたところに出た。
夜の空に、大きな建物が白く浮かび上がった。
これがかの有名なフィレンツェのドゥオモってやつかー!
暗闇に浮かび上がる白の大理石と、繊細な装飾がとてもきれいで、「あーやっぱりここは東京じゃないんだ」と認識。
こんな大きな、綺麗な大聖堂を作った人々の、孫の孫の、ずっと孫の代がここに住んでいるんだと思ったら、少しフィレンツェに興味を持った。
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by norlie | 2007-07-25 21:54 | イタリア旅
 
■ アドリア海の女王@Italy
ヴェネツィアは世界史でいうところの『アドリア海の女王』。

だけどこの二つ名は、アドリア海で最も美しい都市という意味ではなく、アドリア海の最強国としての意味なんだそうだ。
世界に名だたる海洋国家として繁栄し、強大な富と軍事力で君臨した『女王』。
『王様』ではなく、『女王』なのは、ヴェネツィア(Venezia)が「-a」で終わる女性名詞の響きであることに由来するのかなあ。
だけどそんなイタリア語のロジックを知らなくても、ヴェネツィアには『女王』の名が相応しいと思う。
誰もが愛してやまない水の都。
愛されるに相応しい、凛々しい町。

そんなヴェネツィアの観光の中心地はサンマルコ広場。
ランドマークはびょーんと突き出た鐘楼。
美しさの最骨頂、ドゥカーレ宮殿とサンマルコ寺院を抱く、真っ白な広場。
アクアアルタ(満ち潮)の時期には、この広場ごと完全に海に浸かってしまうというのだから驚きだ。

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アドリア海の女王は、今は軍事力ではなく、その美しさで、毅然と世界に君臨している。

どうかどうか、この女王様がアドリア海の中に帰ってしまわないよう。
地球の環境を守っていかねば。
なーんて思った旅だった。
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by norlie | 2007-06-29 22:58 | イタリア旅
 
■ 食の国イタリア@Italy
イタリアといえば、やはり食文化。
パスタも生ハムもジェラートも、今や日本人の舌にしっくり馴染んでいる。
洋食嫌いのうちの父でさえ、ミートソースは黙々と食べるほど。

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味付けはオリーブ風味。
野菜はトマト、パプリカ、ルッコラ、レモン、アーティチョーク。
おやつにはブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー。
八百屋さんの見栄えも、心なしか日本より彩度が高くて、胸が弾んだ。




以前、ロサンゼルス旅行の際、食文化の違いに随分苦しんだこともあり、今回はやれ味噌汁だ、やれ梅干だ、やれほうじ茶だ…と、和食を持参した私。パートナーも、しじみスープを持ってきてくれており、行く先々のホテルで日本の味を補給した。

とはいえ、実のところ、イタリア料理が続く毎日でも、和食が恋しくなるようなことはあまりなく。
L.Aのときに比べたら、雲泥の差ともいえるほど、イタリアの味を楽しめたと思う。
パスタはもちろん、オイルサーディンも、ケッパー入りのサラダも、サルティンボッカも、本当に美味しかった。
オリーブオイルとアンチョビと、そして知らない名前の数々の調味料は、私の舌にもしっくり。
特に、生ハムは私の大好物。スペイン産イベリコ豚の生ハムも捨てがたいが、パルマ産のプロシュートもまた違った味わいがあって大好きだ。

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街歩きを楽しんだヴェネツィアでも、先々で食料屋さんを見かけた。
お肉屋さん、燻製屋さん、八百屋さん…etc.
特にウィンドウに並んだスパイスの数には圧巻。貿易盛んだったヴェネツィアの黄金時代を思わせる品揃えだった。

美味しい国イタリア。
そんなイタリアの中にも、地方ごとにいろいろな味と料理があるようなので、今度はそれを意識しながら食べ歩いてみたいものです。
和食を買い込んでいく必要はなさそうで。
といっても、大好物のお味噌汁とほうじ茶は必須だけれど。
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by norlie | 2007-05-13 01:05 | イタリア旅
 
ヴェネツィアを歩く@Italy
去年書きかけたイタリア旅行の続き。

e0048530_11151326.jpgヴェネツィアは異世界だ。
迷路みたいに入り組んだ路地。曲がれど曲がれど似たような道、橋、水路。
自分の位置をはっきり自覚できるのは、リアルト橋や魚市場、サンマルコ広場などの、有名スポットくらい。
だけど、その同じように見える風景も、どれ一つとっても同じものはなくて。
一つ一つの曲がり角に、木々に隠れた小さな小道に、この街の愛らしさが潜んでいる。
うっかり曲がり角を間違えると、水路に突き当たって行き止まり。
角を曲がると、「あれ!この広場さっき通ったよね」。

しれっと旅人を道に迷わせるくせに、悪びれずに綺麗な赤レンガと緑の屋根を見せてくれた。



e0048530_1115027.jpgホテルが、割とメインスポットから離れたところにあったおかげで、行き帰りしているうちにすっかりこの異世界の虜になったと思う。
ネオンの変わりに暖色灯、車の変わりに黒ゴンドラ。どの人もみんな、舟か徒歩で移動する。
こんな時代なのにね。
ヴェネツィアには、車が一台もない。バスだってない。

おじいさんも、細い路地裏を犬と歩く。
明るい水色のシャツを着て。犬もお尻を振り振りしながら、ご主人様の隣を歩く。



e0048530_1192150.jpgイタリアの町には必ずと言っていいほどたくさんの広場があると聞く。もちろん、ヴェネツィアも多聞に漏れない。
平日だって言うのに、昼間から夕方ころまで広場は子供たちで満たされていて、学校はないんだろうか、と不思議に思ってみるも、確かにベネツィアにはドゥカーレ宮や庁舎のような大きな建物は限られていて、日本の小学校のような建物は見当たらない。

ないわけはないと思うんだけど…不思議だなあ。

とはいえ、そんなことはどうでもいいやと思えてくるほど、この広場の子供たちは本当に愛らしい子ばかり。

本当に、絵本から出てきたような子供たちばかりなのだ。



最近、この水の都の歴史のことなどを本で読んだりしている。
町の歴史を知りたいと思ったのは、私にとっては初めてのこと。
ヴェネツィアの街歩き、近々もう一度やりたいなと思っている。
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by norlie | 2007-04-12 11:27 | イタリア旅
 
イタリアへ行こう@Italy
パスタとピザとレオナルドダヴィンチの国イタリア。
日本でも欠かせない食の一部となっているイタリア料理は、私の大好物だ。
今年の長期休暇はその国イタリアへ行って来た。

ローマはフィウミチーノ空港に降り立ったのが朝7時。
朝7時だというのに全然暗いローマの朝に驚きつつも(日本の冬の朝6時くらいの暗さ!)…空港線の列車でローマの中心駅テルミニに着く頃には、すっかりお日様が頭の上に。

駅周辺のレストランで軽食をとることにしたのだけれど、そのレストランがまたかなり清潔とは言い難い感じ。トイレはとても入れるものではなく、レストランなのに黒い虫が飛んでるし…早くもイタリアという国に引いてしまった。
ところが、ニクいことにオーダーした "Lasagna"ことラザニアはめちゃうまい。
なんだか微妙な気分のまま、ローマを後にした。

一日目は直接ローマからベネツィアへ。
ユーロスターで移動したのだけれど、やっぱり車窓の景色が楽しかった〜!
『世界の車窓から』のテーマを口ずさみながら、テンション高く目指せベネツィア!

e0048530_21261765.jpg着いたのは15時頃。
ホテルに着いて、散歩する頃には、美しい夕焼けが海を照らしていた。
ローマでの印象とは裏腹に、ベネツィアの美しさに早くも虜に!
なんだ!素晴らしいところじゃないか、イタリア!!
ローマで見たものは幻だったことにして、気持ちのよい夜風に吹かれながら、ベネツィアを歩く。ディナーを頂いたレストランも、本当においしくて綺麗で気持ちよい。
わずか数時間で、私はこのベネツィアが大好きになった。
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by norlie | 2006-11-19 21:26 | イタリア旅