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ムーミン谷の素敵なお母さん
会社の先輩から、ムーミンのDVDを4話分頂いた。
子供のころに観た記憶はあるのだけれど、ほとんど印象に残っていなくて、知識として登場人物を知ってるくらいのムーミン。
せっかく頂いたので観てみたら、これが意外と面白かった。

大人になった今だからこそわかる、言葉の重みとか、その背景に見え隠れする気持ちとか。
スナフキンの挙措や言動の落ち着きや、ミイの大人びたセリフが実は誰よりも真実を指していることとか。
意外と、深い面白さが結構ある。

中でも、印象に残ったのはムーミンママの人柄。
子供の頃は何ともなく聞き流していたムーミンママのセリフが、どれも本当に素敵なのだ。

秘密を隠そうとするムーミンには、
「秘密?じゃあ聞かないわ」
「誰だって秘密のひとつくらい持つ権利はあるわ」

ムーミン谷の習慣(冬眠)を守らずに、スナフキンと旅に出たいというムーミンには、
「そんなに行きたいなら止めやしないわ、わたしたち。ねえ、パパ?」
(この一言のおかげで、ダメだと言っていたパパも、「旅をするのも悪くない」と言いだすほど)

ムーミンが落ち込んで部屋に籠っているとき、フローレンから「ムーミン、まだしょんぼりしてるんですか?」と聞かれると、
「そうねえ、元気いっぱいというのとはちょっと違うわね」
("しょんぼりしてる"とは言わない言い回しが聡明です)

優しくて穏やかで、とても理解のある"お母さん"のムーミンママ。
相手がムーミンのような子供なら、「子供が何言ってるの?」という感じであしらってしまいそうなのに、そういうことを決して言わない真摯で愛情深い姿が、本当に素敵でした。

そんな彼女も、壊れた蓄音器が手に入った時には、胸に手を当てて「パパ、早く直してください。久しぶりにダンスができるわ」と期待に胸を膨らませたりして。
時折、"少女"みたいな顔もするのが、とてもかわいらしい。
それに、ムーミンママを演じていらっしゃる谷育子さんの話し方が、本当にぴったりです。

大人になっても楽しめるムーミンの世界。
私も、いつかムーミンママのような人になりたいなあと、切に憧れてしまいました。
by norlie | 2010-05-30 20:21 | Diary
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