心に残る風景@山形・上山
松島を後にし、向かった先は山形の上山。
山形市の南に接し、蔵王の麓にあるこの町は温泉街としても有名とのこと。
明日は山寺と蔵王に向かう予定だったので、本日はそのどちらからも程近い上山市へ宿泊を決めていた。

実は、私にとって山形県へ足を踏み入れたのはこれが初めてのこと。
生まれ育った青森をはじめ、度々、あるいは数度、何かしらの形で訪れてきた東北の各県。
だけど山形だけはなぜだか今まで全く行く機会がなく、またどういう観光地があるのかも知らなかった。
ということで、今回の旅は私にとって"東北6県制覇"というちょっとした目標の達成も兼ねている。

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山形市や上山市を歩いて、一番いいなあと思ったのは山がとっても近いこと。
町のすぐ近くにぴょこんぴょこんと山が見える。それも結構高い山々で、数も多い。
山と山の間の僅かな盆地に川が流れ、その両側に田圃が広がる風景。
これまで訪れたどの土地にもなかった景色なのに、懐かしく、とても落ち着く。

山形は『おもひでぽろぽろ』というジブリの映画の舞台でもある。
現実と思い出が交錯するこの映画のストーリーは、子供の頃観たときはさっぱり理解できなかった。
だけどいつしか私もこの映画に共感できる年頃になった。
その主人公のタエ子が憧れた風景の中に今立っているなんて、なんて感慨深い体験。
「私はワタシと旅に出る」—糸井重里さんのつけたこの映画のキャッチコピーに、いつだって自分は共感してしまう。

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宿に着き、夕食前に母と二人で夕暮れの田圃を散歩。
どちらの方角を向いても地平線ではなく山の稜線が見えることに感激する。
収穫後の稲の天日干しがよりいっそう秋の情緒を感じさせてくれる。
すぐ近くを山に囲まれているせいで日没が早く、マジックアワーの薄明に包まれた空はあっという間に暗くなっていった。

旅の中で心に残る風景は、思いもよらずそこにある景色だったりする。
観光雑誌で調べて、あらかじめ予備知識を得ていった場所ではなく。
目的地と目的地の間で、何の期待も心の準備もなく、立ち寄った場所。そこにあった風景。
この旅で一番心に残ったのが、どんな観光地の景色よりも、この夕暮れの田園風景だったように。
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by norlie | 2011-10-09 01:39 | ぷらっと南東北
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