山寺に紅をさす@山形・山寺
「この惑星では、奥の細道を旅すると俳句が上達すると言われている…」

という最近の、缶コーヒーBOSSのCMでも登場する、山形の山寺へ行ってきました。
トミー・リー・ジョーンズさんも行かれた場所ということで、ちょっと嬉しい気持ち。
そういえば、このCMでは宮城の松島も登場するので、図らずも、今回の旅はBOSSのCM『奥の細道』編の舞台を巡る旅でもあったのかも。

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車で山寺の麓へ到着し、見上げる山のずっと上のほうに五大堂を見たときは、「しまった、私、登れないかも!」と正直焦った。
過去、ここならさすがに登れるはず!と挑んだ高尾山では、結構早い段階で苦しくなって足が進まなくなったため、自分の体力への信用はほとんどない。
でも、山寺の場合は、ゆっくり登ったら意外と息も切れることなく登ることができた。よかった…。

五大堂から眺める山村の景色は本当に素晴らしく、それは『日本むかしばなし』の始まりがさっと頭に浮かぶような景観。
連なる山々の谷間に、背の低い家々と畑が見える。
自然と人々が共存しているとは、こういうことを言うのだなあと思った。

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山寺の一段一段を登っていると、古式ゆかしい日本の色がたくさん目に入る。
それは、お地蔵様の前掛けだったり、お供え物だったり、脇に備えられた花々だったり、登りきった場所に植えられた色の濃い秋桜だったり。
彩度の低い、石の色や山の色の中にあって、人が添えたもの、作ったものの持つ色合いは鮮やかなアクセント。
この彩度の高い色は多すぎてはこの景色に馴染まない。
日本の風景の中に在るには、きっと紅をさすようにささやかに、控えめに、小さく添えられることが大切なんだろう。
慎ましやかで可憐な、和の美徳。

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山寺から降りると、民家の玄関に白い猫がうとうとと眠っていた。
行儀よくお座りして、たまに薄目を開けてはまたすぐ閉じる。
なんだか授業中、瞼が落ちていくのを必死に開けようとする自分みたいで面白かった。

山寺を知ったのはもう何年も前。
母が「山寺に行ってみたいの」と言ったのがきっかけ。
「山寺って、山にあるお寺? そんなのどこにでもあるんじゃないの?」と無知な返答をした私が、後で調べてそれが山形の立石寺を指すことを知った。
いつか連れて行きたいなあとずっと思っていたことを、数年を経て、家族旅行という形でやっと実現できた。
帰ってきて写真で見た一人一人の表情が、いつもよりずっと楽しそうで、嬉しそうで、ああやっぱり家族揃うって素敵なことなんだなと実感。

この思い出がこれからもずっと心の中に刻まれていきますように。
これからもずっと思い出が続いていきますように。
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by norlie | 2011-10-13 08:15 | ぷらっと南東北
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