水辺の秋@十和田湖・奥入瀬渓流
初夏にここへ来たときは、少し湿った新緑の香りがした。
桟橋の左側、湖畔に立つ木々が水際へ大きく枝を垂らしている場所では、2、3人の子供達がその枝に座って、足を湖に浸しながら、水遊びをしていた。
楽しそうな子供達の声が湖を跳ね、それは幻聴のようにずっと私の耳にも残っている。

一年も立たないうちに、また訪れることができた十和田湖の西湖畔。
観光メッカとなっている休屋周辺は、ヒメマスやアユなどのおいしい塩焼きが食べられるけれど、この西湖畔にあるような静けさと清涼な空気はやっぱり特別だと思う。

一年前に来たときと、同じ場所、同じ木。
でも、色合いは随分違っていて、周囲はすっかり秋化粧。
秋の低い太陽が柔らかな光を湖畔に降らせ、黄金色の木々が淡い光に霞む、とても幻想的な風景。

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私の知る十和田湖には、いつも陰がない。
明るく、青く澄んで、穏やか。遠くまで見渡せる湖の形は、遠くのクリアな静けさに満ちている。
不安をかき立てられるような底知れぬ暗い水底、荒く波立つ湖面、暗い鬱蒼とした森、深い霧…そういうイメージがあまりないのは、天気ばかりのせいではないと思う。

十和田湖が湛える水は、とても透明で澄んでいる。
天色の碧を映す湖面はいつもゆらゆらと光を散乱するので、湖畔の木々はあまり深い影を落とさない。
木漏れ日のように上からも下からも柔らかな光が溢れ出す、とても優しい情景。

場所によっては深いコバルトブルーのところもあって、そういうところではコントラストが美しい。
柔らかくはないが、くっきりと裏表のない明るさがあって、それはそれで気持ちいい。

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いつも西湖畔の話ばかりを書いているけれど、我が家がいつもお弁当を食べるのは宇樽部という場所。
十和田湖南東側の湖畔で、こちらにはとても長い宇樽部桟橋がある。
キャンプ場や公園が整備されていて、波際で遊ぶこともできる。
休屋ほど混雑することもなく、十分な距離感を持って楽しめる、大好きな場所の一つ。
御倉山の麓にあるので、山の紅葉が綺麗に見える。

公園の紅葉も鮮やかな赤。
この日はまだそこまで寒くなく、ブルゾンを着ていれば、芝生に寝そべっても心地いい気温だった。
頭の上にあったのは、もみじではなく、赤い実をたくさん付けたナナカマド。
青空のキャンバスに、ナナカマドが描く秋の絵画を楽しみながら、しばらく横になる。
遠くで水鳥が羽ばたく音がした。

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十和田湖の良いところは、宇樽部や休屋、和井内など湖畔の美しさも楽しみながら、奥入瀬渓流歩きもできること。
十和田湖から流れ出す奥入瀬渓流は、十和田湖と同じように透明な澄んだ水。
冷たく澄んだ流れの美しさはもちろん、渓流沿いに数々の滝や景観があるため、観光客にも人気がある。
いつも行く度に、他県ナンバーの車の多さにはびっくりする。

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奥入瀬の滝の中で一番好きなのは、雲井の滝。迫力があって、滝壺のマイナスイオンは格別だ。
そして、この日は行かなかったけれど、雲井の滝の近くにある双竜の滝も最近のお気に入り。
双竜の滝は、険しい獣道を登らないと辿り着けない場所にあるため、普通のガイドマップには行き方が載っていない。
私も今年の6月に初めて行ったのだけれど、こんなに綺麗で迫力のある滝があったなんて…と感動した。
もちろん私の情けない運動神経では、丸太の下をくぐったり、土砂崩れの傾斜を泥まみれになりながら歩いたりと大変だったけれど、その分辿り着いたときの感動は言葉に表せないものがあった。

他にも数々の滝が次々と現れる奥入瀬渓流。
天高く降ってくる白糸の滝や白布の滝、岩の重なりが美しい九段の滝など、楽しい滝がいっぱい。

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奥入瀬渓流の景観はとても美しい。
そして、最近色々な山奥の秘境に行って気づき始めたのだけれど、奥入瀬渓流のいいところはとても歩きやすく、行きやすいことでもあると思う。
十和田湖はそれほど山奥ではないし、道路もきちんと整備されている。
奥入瀬渓流もすぐ傍に観光用の車道があるので、子供からお年寄りまで比較的気軽に渓流歩きを楽しめる。
それでいて美しい自然や手つかずの景観がきちんと残されていて、樹木の緑もとても美しくて、水も綺麗。

十和田湖では、毎年2月に十和田湖冬物語というイベントが開かれる。
幻想的に並ぶ雪灯篭や、雪景色にライトアップされた十和田湖が見れる数少ない機会。

私が好きなのは、自然いっぱいの十和田湖そのままの姿なのだけれど、冬物語のライトアップも一度見てみたいもの。来年2月は難しそうなのだけれど、きっといつかとずっと思っている。
それに十和田湖畔には泊まってみたいホテルもある。
春夏秋冬、四季折々の十和田湖。
これまでも、これからも、この美しい湖と自然が在り続けますように。
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by norlie | 2011-11-19 19:36 | ぷらっと青森
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