銀器を磨く
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イギリスのお土産で頂いたティーストレーナーは、一杯分のお茶を淹れるのにちょうどいい。
休日はがぶがぶお茶を飲むので、大きなティーポットや急須を使うのだけれど、忙しい朝や帰宅の遅い夜に手軽に一杯だけ飲みたいときには、このストレーナーはぴったり。

そんな愛用のティーストレーナーが黒ずみと茶渋で少し汚れてきたので、お手入れをすることにした。
銀製(メッキだと思う)なので、アクセサリ用のシルバークリーナーを使おうと思ったのだが、ちょうど切らしていたので、記憶の片隅にあった知識でアルミと重曹を使う。
最初に茶渋を取ってから、銀器とアルミと重曹に熱湯を注ぐと、しゅわしゅわ~っと泡が出てくる。化学式も構造式も苦手だけれど、これを見るのは楽しい。
きっと今、お湯の中で、アルミと水素と銀とそのほか色々な分子がくっついたり離れたりしながら、化学反応を起こしているのだ。


やがて大体黒ずみが取れた後、お湯から上げてシルバークロスで磨くと、元の綺麗な白銀の輝きに戻った。
ついでに、ピンクシルバーのネックレスも一緒に磨く。少しぼんやりした、優しいピンク色の輝きが戻った。

時間があったので、ついでに色々なお手入れをやってしまうことにした。

最近ひとめぼれで購入したMaduの陶器のお皿は、米のとぎ汁で湯がく。
うちにある食器は、ほとんどがガラスかボーンチャイナなので、陶器を買うのは久しぶりのこと。
いかにも陶器風の土っぽい手触り、重さや音なので、使う前にお手入れをしておきたいなあと思っていた。
どのくらいの効果があるのかはよく知らないけれど、「これからどうぞよろしくね」という気持ちで陶器を湯がく。
鍋の中で、まるで生きているように、陶器がカタリと返事をした。

陶器を乾かしているうちに、仕事で履いている革靴を磨く。
今日は黒い靴の日。ほこりを取って、黒の靴クリームを塗って、よく磨く。
最後にワックスで仕上げて、ついでに防水スプレーを一噴きして完成。

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のんびりした午後、小さなお手入れで、食器やカトラリー、アクセサリや靴がよみがえる。
とはいえ、どれも買ったばかりの輝きに戻るわけではない。
取れない汚れは少し残るし、小さな傷は直らない。

だけど私は、買ったばかりのピカピカの輝きよりも、手入れの後の、少しぼんやりとした淡い優しい輝きがたまらなく好きだと思う。
持ち主の暮らしに馴染んで、振る舞いを心得た佇まい。
光りすぎない控えめな奥ゆかしさ。

持ち物は長く大切に使いたい。手間をかけて手入れをした分、長く心地よく、一緒に暮らせるように。
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by norlie | 2012-02-11 23:19 | Lifestyle
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