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南国散歩、紺碧の海へ@沖縄本島
大学からの親しい友人の結婚式で、先日、沖縄へ行ってきました。

3月の沖縄。暖かいだろうとは思っていたけれど、空港へ降り立ったときの蒸しっとした温い空気にはびっくり。
これはもう、春というより夏の蒸し暑さ。
出発の日、関東では冷たい雨が降り注ぐ冬のお天気だったので、あまりの違いに感心してしまった。

"傘"マークだった天気予報は一転、"晴れ”マークへ。
気持ちいい青空の下、久しぶりに再会する友人達と過ごす4日間。

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お昼過ぎに那覇へ着き、お腹ぺこぺこのまま友人と合流して、迷う事なく沖縄そばへ。
国際通りの裏に入ったところにある小さな定食屋さんで、沖縄そばをもぐもぐ食べてきた。
鰹のお出汁と豚肉の脂が効いた沖縄そば。何杯でも食べてしまいそうな美味しさ。
これまた紅生姜がとっても合うのです!
あまりのお腹空きっぷりに、写真を撮るのも忘れて、必死にお箸を動かすことしきり。

初日は、結婚を控えた友人と再会し、ひとしきりおしゃべりを楽しんだ後、友人の希望で那覇の首里城へ向かう。
首里城は、数年前の久米島旅行の際に立ち寄っていたので、まだ鮮明に覚えていた。

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紺碧の空の下、赤色が良く映える。
この首里城には、"鎖之間"という畳張りの御座敷があるのだけれど、ここでは琉球のお茶菓子を頂く事ができる。
前回それがとても美味しかったので、今回も楽しみにしてきたのだけれど、閉館時間ぎりぎりに滑り込んだので茶席はもう終わってしまっていた。少し残念。

首里城といえば一番有名な景色、御庭(うなー)。
紅白の敷き瓦が映える正殿前の広い庭のことです。
ミュージアムショップには、この御庭(うなー)に諸官が列座している復元模型があり、前回訪れたときもそれが気に入ってじーっと見たことを覚えている。

今回も変わらぬその姿を楽しんだのだけれど、友人のおかげで新しい発見があった。
「ねえ、あの人、なんか寝てない?」

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わかりますでしょうか?
手前の左から3番目の青服青帽子の官吏さん。他の人達より、頭が下を向いているのです。
確かに、あの人はこっくりうたた寝をしているように見える。
そしてもっと言うと、その斜め左前の赤帽子のおじさまも、同じような体勢で俯いているように見えます。

うーん、これはやはり、寝ている気がする。

そうだよね。
いい陽気で、寝るにはぴったりの日差し。
「ずらり並んだ諸官の後ろで、ちょっと目を閉じて下を向くくらい気づかれないよね」
あるいは、眠っちゃだめだと頑張っているのかもしれません。
「眠っちゃ駄目だ、瞼を開けなきゃ。ああ、でも瞼が落ちてくるぅ〜」
そんな心の声が聞こえてきそうな御姿であります。

自分も、学生時代、体育館の後ろで、あるいは教室の片隅で何度となく実行した動作なので、とても共感してしまった。
一生懸命、瞼を開けなきゃ、開けなきゃ・・・と思いながら、気づくと白目を剥いた形相。よくわかります。

この模型の官吏さんが本当に居眠り中だったのか、単に他の人より下を向いていただけなのかはわからない。
そう意図して作られたのか、別の意図があるのかも。
だけど、「いやいや、これは居眠りでしょー」と思ってしまう角度です。



門を出ると18時半過ぎ。
空は薄紫色の夕暮れだった。
東京よりずっと西にある沖縄の夕暮れは、かなり遅い。

「なんだろう、この感じ。すごく懐かしい夕暮れだね」
友達が言う。

「わかる! なんか、子供の頃、放課後、たくさん遊んだ後の夕暮れみたい!」
「そうそう、小学校とかの。夏が来る少し前の夕暮れの感じ。友達と外で遊んで、もうすぐ日が沈むけど、まだ明るくて、もっと遊びたーいって思う感じ」
「そうそれ! すっごく懐かしい!」

暑いというには風が優しく、涼しいというには蒸しっとした、夏の入り口の空気。
黄昏時の薄紫色の空と、柔らかな薄紅色の町並みが溶け合う。
明日を心配する事もなく、今日という日を精一杯遊び過ごした子供時代の夕暮れを思い出し、幸福な時間に皆まどろんだ。

もうすっかり大人の年齢なのに、ふいにこんなふうに旅先で子供の頃に戻る。
そんなつもりもないのに、それは、季節や天気や時間の偶然が重なって、ふいに、唐突に降ってくる。

旅はいいなあ。
そんな言葉が、自然に零れた。
by norlie | 2012-03-28 21:55 | ぷらっと沖縄
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