春の鎌倉へ
春が来ると、なぜこんなにも心がうきうきするのだろう。
風が柔らかくなって、日差しがぽかぽか降り注ぐ。
息吹を感じる若草色、幸せを感じる薄紅色。元気な黄色に、涼やかな青。
パステルカラーが大地に芽吹く。

日本では、年度が春から始まる。植物とぴったり合うこの季節の区切りのつけ方は、自然に特別な気を配してきた日本人の感性によく合っていると思う。

春の訪れに呼応して、心の声がざわめきだす。
さあ、外に出かけよう。
いてもたってもいられない心地で、さっと身支度をして、鞄を斜めがけ。
歩きやすい靴で飛び出したら、向かう先は鎌倉!

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桜を見に訪れた人でごった返す鎌倉駅周辺。
小町通でコロッケを頬張って、段葛をぱーっと歩いたら、さっさと人ごみを抜けて妙本寺に向かう。
鎌倉で、浄明寺と並んで特別好きなお寺が妙本寺。
混雑から抜けて山の空気を吸いたい、静かでのんびりしたいと感じたらここへ来る。

妙本寺は山が近い。本堂の両脇には鬱蒼とした森が広がり、鎌倉駅周辺の喧騒が嘘のように、静けさに包まれている。
ここの本堂に腰掛けて、ただ何もしない時間を過ごすのが好き。自分の周りで緩やかに刻まれる自然の時を感じられるから。
ぴーひょろろろろろ、と鳶が鳴く。声の感じがいつもより焦った感じだったので、どうしたのだろうと声のするほうを目で追ったら、高い木の上で鳶がばさばさと羽ばたいていた。
木の上に巣があって、そこに餌を届けているらしい。子育ては大変。

本堂向かって右側に、ピンクの桜のような花が咲き誇っていた。海棠だ。
桜よりも濃いピンク色が青い空に良く映える。
心がときめく、可愛い花。

本堂のすぐ脇の森から、手を差し伸べるように若草色のもみじの枝がすっと降りていた。
よく見るもみじよりも、繊細な形をしていた。
この季節ならではの、芽吹いたばかりの新緑の優しい色合いには胸が安らぐ。

こうやって時々、静かな場所で、自然に囲まれて、一旦気持ちをリセットする。
ニュートラルな状態に戻してから、再び歩き始める。

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ふわふわ満開の桜の屋根の下、銭洗い弁天へ向かうことにした。
喧騒を離れたかったので、極力小さな路地や民家の通りを歩いて向かう。

道端に、子供の頃から慣れ親しんだスギナがたくさん生えている場所があったので、これはもしやと思って探してみたら、やっぱり見つかった。つくしんぼ。
つくしやふきのとうが生えると、春が来たなと思う。青森で過ごしていたときは、雪の中から小さく顔を出すふきのとうの黄緑色にわくわくしたもの。
つくしも、ふきのとうも、両方とも食用になる植物だけれど、実は私はあまり好きじゃない。
アクが強くて苦いイメージ。

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春が来て、若芽若草が芽吹き、淡い色の花が咲く。
春生まれのせいか、この季節になると、無性に心が疼く。
何か楽しい出来事がどこかで自分を待っているような気配に誘われて、旅に出たくなる。
芽を出して、花を咲かせたくなる。そんな、大好きな季節です。
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by norlie | 2012-04-22 18:58 | ぷらっと鎌倉・湘南
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