春の味覚を味わう旅へ - しらす・あかもく -
ある日、ポストに定期的に入っている県発行の冊子の1ページがふと目に泊まった。
「春、神奈川県の旬の食材を食べよう」というテーマのそのページには、しらすと、そして見たこともない緑の海藻が載っていた。 その説明には"あかもく"と書いてある。 多くの海草類が旬を迎える春。神奈川県の三浦半島周辺では"あかもく"という海藻が出回るのだそう。 めかぶに似た粘りがあり、しかしめかぶよりも粘りの強い海藻らしい。 ここで、自分が大好きな"めかぶ"の名前が出てきたものだから、どうしても興味をひかれてしまう。 それ以来、春が終わらないうちに是非"あかもく"を食べにいこうと機会を伺っていたのだった。 そんなわけでこの日、江の島の海鮮料理店"魚華"にて、あかもくを発見したときには密かに小躍りしたいくらい嬉しかった。 これが"あかもく"。 濃い緑色で、粘り気があるのが見た目にも良く分かる。一方でどこか野菜(じゅんさい)のようにも見える。 食べてみると、確かにめかぶ以上の強い粘り気があった。 お箸を小鉢から上げて、いくらぐるぐる回しても糸が切れない。 味付けはめかぶと同じで、酢醤油やポン酢がよく合う。 海藻なのに、シャキシャキと音のする食感が不思議な感じ。 神奈川にもこういう地元食材があったのかと少し驚き、そして嬉しい。 めかぶ、つのまた、ふのり、海ぶどう、もずくに加え、また好きな海藻が増えた。 江の島と言えば、しらす。 しらすの旬は春と秋なので、この時期に行くと、江の島の店頭では新鮮な生しらすが並んでいる。 生しらすというのは、それこそ故郷にいた頃は決して食べたことのないものだったけれど、いざ食べてみるととても繊細な美味しさ。 新鮮な生しらすは臭みが全くなく、おろし生姜とポン酢で締めるとさっぱりして少し暑い日には丁度いい。 この日の昼食は、三色丼を頂いた。 透明な生しらす、釜揚げしらすの白、ねぎとろのピンク色に、貝割れ大根と紫蘇の黄緑色が加わって、丼の上がとても春めいている。 素材の味がとてもおいしくて、醤油はいらないくらいだった。 食事の後は、参道を上がって江島神社へ。 新緑の天井に覆われて、境内に風の通り道ができている。 時刻は15時、そろそろ日が傾き始める頃。 のんびりとした島時間に誘われて、夏休みのような気分で階段を上がって行った。
by norlie
| 2013-06-04 07:21
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