初夏の花巡り - 南部町・長谷ぼたん園から法光寺へ -
鯉艸郷を後にして、次に向かったのは南部町にある長谷ぼたん園。
丁度この日、ここでは牡丹祭りが開かれていた。

長谷ぼたん園は、隣接する恵光院の檀家一行が、総本山である奈良県の長谷寺からぼたん苗を譲り受けたのをきっかけに、町の人達の協力で約8,000本の牡丹が咲き誇る庭園を作るまでにいたったという場所。

そういえば、この春に牡丹を見たのも、鎌倉の長谷寺だったことを思い出す。
南部町の長谷ぼたん園は、『ぼたん寺』として有名な奈良の長谷寺から苗を譲り受けたことにちなんでいる。
"長谷"という名前で繋がっている縁がどこか嬉しい。
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ぼたん園の上のほうには、サツキが咲き誇る一角があった。
艶やかな牡丹とは違う、オレンジや黄色といったビタミンカラーに心なしか元気をもらったような気分。
晴れ間が嬉しくて仕方ないといった感じで、花をいっぱいに咲かせて上を向いているあたり、人間も植物も似たようなものだと思った。

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長谷ぼたん園は、南部町にある名久井岳という山の中腹にある。
この名久井岳というのは、今はどうか知らないが、私が子供の頃は八戸の小学校の遠足で必ず連れて行かれる登山先だった。

私の小学校では、5年生が名久井岳、6年生が階上岳というのが定番だった。
だが、実際の難易度は逆ではないかと思っている。
山の遠景を見ればすぐにわかることだが、距離は長いが緩やかな階上岳に対して、名久井岳は急勾配が多い。
私の学年が遠足で行ったときも、一人、救急車で運ばれたけが人が出たほどだ。

というわけで、名久井岳=ちょっと怖い、という印象が拭えず、実は名久井岳を訪れたのはその小学校以来の約20年ぶりのことだった。

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長谷ぼたん園から、名久井岳を一旦上がって反対側に降りたところに法光寺がある。
ここの三重塔は、三重塔としては日本一の高さを誇り、かつ北限に位置するのだそうだ。
確か弘前の五重塔もまた北限と言われている。
本州最北の県ということで、北限のものもまた多いんだろう。

三重塔は、シンと静まり返った林の中、ひっそりと佇んでいた。
ともすれば山伏が修行しているのではと思うような暗い林の奥、そこだけ陽光があたるように木々が開けている。"承陽塔"という別名にぴったりだと思った。

風格ある立ち姿、古さ、あたりの清浄な気配。
身近なところにこんな立派な寺社があったなんて、住んでいたときは知らなかった。

最近、この年になって再会できる物事には驚かされてばかりいる。
少しずつ変わっていく景色以上に、大きく変わったのは自分のほうなのだと気づかされる。
その発見を楽しみながら、これからもたくさんのものに再会できるといいなあと思える一日だった。
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by norlie | 2013-07-06 10:36 | ぷらっと青森
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