紅葉の高尾山・稲荷山コースへ
2ヶ月続いていた咳喘息がやっと治り、引きこもり生活で鈍っていた体の訓練も兼ねて、高尾山へ行って来た。
折しも高尾山は紅葉真っ盛り。 もみじ祭りが開かれており、紅葉が見頃を迎えた時期の、晴天の週末とあって、高尾山口へ向かう京王線は通勤電車並みの大混雑だった。 ケーブルカーやリフトの1、2時間待ちに加え、ほとんどのトイレが30分〜1時間待ち。 主要登山道の1号路は行列を作らんばかりの大混雑ということで、なんというか、首都圏恐るべし・・・というのを改めて認識した一日でもあった。 全ての登山ルートの登り口となる山麓駅の広場の木々も、紅、黄、深緑と三色美しく紅葉していた。 リフトやケーブルカーを待つ人と、お弁当を買い込む人でごった返してはいたが、こういう綺麗な紅葉が見られると、「ああ、来た甲斐があるなあ」と思ってしまうのだから、自然の美はすごい。 1号路のひどい混雑ぶりはわかっていたので、今回は稲荷山コースで登ることにした。 横4〜5人の列をなして人の波が向かって行く1号路を尻目に、清滝駅の脇から稲荷山コースに入る。 稲荷山コース方面はひっきりなしに人が登って行くものの、1号路と比べると大分余裕があるのを見て、とてもほっとした。 段差の高い階段を少し上ると、やや広い踊り場に出る。 黄色い紅葉が天を覆って、風が吹くとひらひらと舞い落ちる光景に、しばらく目を奪われた。 今年は紅葉を観に行けないかと思っていたけれど、間に合って良かったと思うことしきり。 高尾山口から山頂まで登る登山道は、全部で3ルートある。 コンクリートで舗装された1号路。 高尾山のパンフレット上では、難易度"2"となっている。 薬王院などの観光地もこのルート沿いにあるので、多くの人がこのルートを使う。 それから、びわ滝が見所の6号路。 ここは沢沿いに進めるルートなので、夏場はとても涼やかで気持ちいい。 パンフレットでは、難易度"3"がつけられている。 少し狭い道なので、11月の繁忙期は上り専用になるルートである。 そして、今回私達が登った稲荷山コースは、難易度"4"。 山頂までのルートでは難易度が一番高く、「本格的な登山が味わえる」と書いてあるのがこのルート。 私も、今回が初めてだった。 さて、そんな稲荷山コースを歩いてみると・・・あれ、意外と疲れない。 実は、前回1号路を登ったときは、金比羅台というところまでの序盤の坂道がとてもきつく感じて、脚も上がらないような状態になった。 金比羅台を過ぎれば、なだらかな道が続くので、苦労した記憶はない。 けれども、とにかく金比羅台までがとてもしんどかった。 最低難易度のルートも登れないほど、自分はそんなに体力がないのかと少しショックを受けたことを覚えている。 そういうこともあって、今回の稲荷山コースは登れるか不安があったのだけれど、意外なことにほとんど疲れなかった。 段差の高い階段道や、木の根や瓦礫だらけの不安定な道で、なるほど少し登山っぽい気持ちを味わえる。 けれども、多くの人が来る山とあって、薮や草木が邪魔をするような道はほとんどなく、道幅も広くてかなり歩きやすい。 途中と、山頂の手前に勾配のきつい階段が出てくるが、少し休みながら登れば大丈夫だった。 尾根を登るコースなので、道の両訳に急勾配の斜面が見えたりもして、見晴らしの良い、とても気持ちいいコース。 山頂手前の階段では、頭の上に紅葉のトンネルができているみたいで、点描のような美しさだった。 その美しさにもまた少し背中を押され、楽しんで歩くことができた。 今回、稲荷山コースを歩いてみて分かったのは、どうも私は1号路のようなコンクリート坂が苦手らしいということだった。 コンクリートの坂は、どこで止まっても足場が斜めなので、坂道を降りる車がブレーキをかけるように、常に足に力を入れていなければならない。 立ち止まっても、休むことができなかった。 でも、稲荷山コースのように階段道だったり、木の根や瓦礫の上を歩く場合は、一段登れば足場が平坦になるので、体を休めることができる。 それだけの違いが、自分にはとてもありがたい。 登山気分を味わえて面白いということももちろんだけれど、それだけではなく、稲荷山コースのほうが自分の体には合っているんだなと分かったのだった。 写真を撮りながら2時間くらいで山頂に着いた。 山頂もまた、どの木々も色付き鮮やかで、溜め息の出る美しさ。 青空のキャンバスに三色の点描画が広がった。 元気が出るような明るい色合いに、胸がいっぱいになった。 山頂は、3つのルートからの登山客が合流する地点なので、再び大混雑状態だったが、もみじ台への道へ降りると少し余裕ができた。 空いているベンチがあったので、友達と二人、そこに腰を下ろし、持って来たおにぎりとウィンナーをのんびりと頂くことにした。
by norlie
| 2013-11-24 19:30
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