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秋の味覚は菊の花
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地域色もあるのだろうが、私の地元では菊を食べる。
食べるのは葉ではなく、菊の花弁。
秋の味覚として知られており、学校給食でも普通に菊のお味噌汁が出た。他にもおひたしにしたり、煮物に加えたりする。
あまり疑問に思ったことがなかったのだけれど、「じゃあ、バラの花弁を食べよ」と言われると、ちょっと「えっ」と思う。
でも「菊の花弁を食べよ」と言われるとしっくり来るので、なんだか不思議な心持ちである。

菊の花を食べるのは青森だけではなく、東北地方や北陸地方ではそういう地域も多いと聞く。
それ以外の地域の人がどうなのかは私はよく知らないけれど、きっと食べる場所も中にはあるんじゃないだろうか。(たぶん)
"エディブルフラワー"(食用花)なんてものが最近聞かれるようになって、様々な種類のお花が食べられるみたいだけれども、私が抵抗なく食べられるのはやっぱり昔から馴染んでいる菊だと思う。

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上京してきて、スーパーで菊の花を売っているのをあまり見たことがなかったので、こちらでは売られていないのだろうと思っていた。
そうしたら、なんと先日、近所のスーパーに秋田産の食用菊が売られているではないか。
黄色い菊の花は"阿房宮"という品種で、青森でも最も良く売られているタイプの食用菊だ。

1パックに30個くらいだろうか。結構な量の菊の花が入っていた。
地元で売られているのより量が多い気がした。
早速買って帰り、台所で花弁を無心に毟る。
花弁を毟るって、普通なら罪悪感を伴う行為である。なかなかするものじゃない。
花は飾るものであって、花弁を毟るなんて普段ならとんでもない話だけれども、この食用菊の場合は、毟らないと食べられない。
こんな大量の菊の花弁を毟り取るなんて、なかなかできる経験ではないので、若干快い。
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3分の1はお味噌汁にして、残りはなめことほうれんそうと和えて食べることにした。
鰹節も入れて、和風の味付け。花弁は少しシャキシャキ感が残っていて、でも味を邪魔しない。

実は私はあまり菊のお料理が好きではなく、お味噌汁は食べるけれども、菊のおひたしは苦手なほう。
菊のおひたしって、ちょっと苦いので苦手なのだ。
でも、なめことほうれんそうと鰹節で炒めたこのお料理は、苦さがなくて美味しかった。

もともとそんなに好きな訳ではないのだけれど、地元でしか食べられないと思っていた食材がこちらで売られているのはやっぱり嬉しい。
ついつい手を伸ばして料理してしまう。今回もそんな感じ。
きれいで可愛い菊の花が台所にたくさん置かれていると、なんだか心までもが明るい気持ちになる。
食用菊を売ってくれていた近所のスーパーに感謝です。

by norlie | 2015-11-14 17:42 | Lifestyle
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