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喜泉庵で水琴窟を聴く
数日ぶりに関東に暖かさが戻ってきたこの週末。
のんびり縁側でお抹茶を頂きたいなあ…と、ふと思い立ったので、鎌倉へ出かけることにした。
「縁側でお抹茶」のキーワードで、思い当たる場所。
それは、鎌倉・浄妙寺にある喜泉庵。

浄妙寺は江ノ電やJRの界隈から少し外れた場所にあるので、土日に訪れてもそれほど混雑がない。
金沢八景行きのバスに乗って、大混雑の鶴岡八幡宮を尻目に、金沢街道を走る。
3つか4つ目のバス停で浄妙寺前に着く。

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浄妙寺にある茶室「喜泉庵」。
書院造りの室内の中で、500円でお抹茶とお菓子を頂ける。
初めは畳の上に引かれた緋毛氈の上に座り、お手前を頂く。
とはいっても、そこまでかしこまる必要はなく。お手前をしてくださる方にはもちろん茶道の心得があるのだけれど、ゲストである私たちは全くの素人なので、気持ちをこめて、「ありがとうございます」といえば、大丈夫。



お庭は小さな枯山水の庭園。
新緑の緑に包まれて、心地いい風がさわさわ~っと木々を揺らす。
素晴らしい天気に恵まれたこの日は、鳥の声もとてもよく聞こえた。
いい感じの間をおいて、とても綺麗な鳥のさえずりが順番に聞こえてくる。
たくさんの鳴き声の中でも、私がこれと分かるのは鶯だけ。もうちょっと鳥に詳しければなあと思いながら、自然音だけが聞こえるこの茶室に、ありがとうという気持ちでいっぱいになった。
緑のお庭に、気持ちよい風に、美しい鳥のさえずり。おいしいお抹茶。まさにリラ~ックス。



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お手前を頂いた後、緋毛氈を立って縁側に腰掛ける。
わりと自由に移動できるところもこの茶室のいいところ。
ずっと座ってみたいと思っていた、縁側の左隅に腰掛けてみた。
するとそこには、ひょろりと長い竹筒が。
『水琴窟 竹に耳を当てて聴いて下さい』と書かれていた。
素直に従って耳を当てる。すると、とても小さな音だが、確かに綺麗な音楽が聴こえてきた。

「水琴窟」というのは、地中に埋めた甕に水滴を落として、それが共鳴する音を聴くものなんだそう。
その音は、言葉では形容しがたいのだけれど、敢えて言うならオーケストラで使われる「チャイム」という楽器の音に似ている感じ。(ウィンドチャイムではなく、オケで使われる大きなチャイムのほう)
とても繊細な音だ。周囲のひそひそ声にすらかき消されてしまうほど。
だけど、本当に優しくて綺麗な音がして、おもわず何分も耳を澄ませてしまった。



浄妙寺の喜泉庵。
お庭の見える茶室が恋しくなったら、お勧めです。
特に新緑の時期と紅葉の時期は素晴らしい。
参拝客もそれほど多くないので穴場です。
by norlie | 2008-05-18 17:34 | ぷらっと鎌倉・湘南
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