kihachi* a suivre
2016-11-21T01:10:40+09:00
norlie
旅日記。横浜、鎌倉、故郷の北東北のこと。
Excite Blog
八幡平の黄葉@岩手
http://kihachi.exblog.jp/24951941/
2016-11-21T01:08:00+09:00
2016-11-21T01:10:40+09:00
2016-11-21T01:07:58+09:00
norlie
ぷらっと岩手
10月の初め、八幡平にドライブに行ってきた。
この時期、八幡平の紅葉は山頂の見頃が終わり、中腹の御所沼のあたりが見頃に差し掛かっていた。
御所沼周辺は、一面の笹の緑色と山吹色のコントラストが美しい。
まるで、ミモザか何かの黄色い花畑にいるよう。
一口に紅葉といえど、こんな景色もあるのだなあと感慨深い。
一つの山に毎週通いたい。
紅葉が山頂から裾野へ広がるまで。
その変化をゆっくり眺められたら素敵なのに。
なーんて思った秋の一日。
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国道45号線ドライブ旅6 @岩手・宮古、そして八戸へ
http://kihachi.exblog.jp/24678251/
2016-10-08T09:07:00+09:00
2016-09-24T17:06:42+09:00
2016-09-24T16:50:34+09:00
norlie
ぷらっと岩手
お昼過ぎに宮古に入る。
お腹も空いていたので、宮古の魚菜市場で昼食をとることにした。
漁港のイメージが強いので、宮古の魚菜市場が意外と内陸にあって驚いた。
宮古には親戚が住んでいるので、ここまで来ると少し安心する。
市場内の食堂で海鮮ちらし丼とお味噌汁をいただく。
具材いっぱいの美味しい丼に舌鼓を打ち、少し一休み。
宮古といえば、やっぱり浄土ヶ浜。
市場を出たら、早速浄土ヶ浜方面へ向かう。
浄土ヶ浜には何度も来ているが、実は夏に来たことはなかったと気づく。
第一駐車場に駐車し、そこから歩いて向かうのが奥浄土ヶ浜と呼ばれる場所で、一般的に『浄土ヶ浜』として写真で紹介されるのはその奥浄土ヶ浜だ。
第一駐車場から奥浄土ヶ浜までは遊歩道を歩いて15分くらい。
いつもならこの道を行くのだが、この日は釜石大観音で歩き疲れたこともあって、第一駐車場から出ている無料シャトルバスに乗ってみることにした。
バスはゆっくりと奥浄土ヶ浜へ降りていく。
景色ならやっぱり遊歩道の方が好きだが、歩き疲れた父にはバスの方が快適だったようでちょうど良かった。
この日、奥浄土ヶ浜は抜群の美しさ。
透明度の高いクリスタルのような水面の向こうに、真っ白な岩がよく映える。
本当に綺麗でため息が出る。
夏の奥浄土ヶ浜は海水浴場になっているようで、子供達が海水浴を楽しんでいた。
それでも人でごった返しているというわけではなく、とても過ごしやすい。
波がなく、浅瀬になっている面積が広いので、まるで天然のプールみたい。
いいなあ、こんな海だったら私も怖がらずに泳げたのに、と思ってしまう。
東北にもこんな綺麗な海があったんだなあ。
浄土ヶ浜に来るのは秋が多く、それも八戸から来ると、いろいろなところに寄った結果、夕方になることが多い。
風が強かったり、曇っていたり、陽光の反射が強かったりと、これまで「すばらしい!」と思うような浄土ヶ浜には出会えていなかったのだけれど、この日の浄土ヶ浜は本当にその名の通り"浄土"だった。
こんな海なら私も水着に着替えて飛び込みたい!
…が、水着は当然持っていないし、そろそろ出ないと夜までに八戸に帰れなくなってしまうので、渋々帰りのバスに乗った。
ここからは一路八戸を目指しての帰路についたような感じだった。
もともと田野畑村や宮古には親戚がいるので、よく来ているし、見知った道は安心する。
観光スポットも大体行き尽くしている。
それでも北山崎や黒崎灯台、鵜の巣断崖などは久しぶりに寄りたかったが、時期的に虫が怖かったので今回は立ち寄らなかった。(吉浜の傷がここでぶり返した…)
一箇所だけ寄ったのは、野田村の道の駅。
ここに美味しい塩ソフトがあると聞いて立ち寄る。
個人的に、最近流行りの塩バニラ味の飴やお菓子の味が好きではなかったので、それ程乗り気ではなかったのだが、おごってくれるというので行く。
どうせ塩バニラの飴と同じような味なんでしょ、と思って一口食べたら、全然違った!
なにこれ!美味しい!
塩の味が全くなく、普通のソフトクリーム。
…なのだけれども、後に残るまったりとした甘さがなく、すっきりさっぱり口の中が爽やか。
しかし、決して塩の味はしない。
期待していなかったので写真も撮らずに食べ始め、食べ始めたら美味しくて止まらなかったので、写真が食べかけ…。
本当に美味しかった!
また食べたいなあと思う味。
一般的なソフトクリームは甘すぎて好きじゃなかったのだけれども、このスッキリした甘さはとても自分好みだった。
道の駅のだ。また行きたいよ…!
そうこうしているうちに、45号線は久慈を通り、階上を通り、やがて八戸へ到着。
なんだかんだで長かった!だけどやり遂げたことが嬉しいかぎり!
仙台を出て北へ向かいながら、多くの景色を見た。
三陸の美しさ。たくましさ。賢明さ。優しさ。
知らなかった景色や知らなかった出来事、復興の風景。
自分の目で見て、自分の足で歩く楽しさに代えられるものはない。
ニュースを見て、新聞を読んで、雑誌を見るだけで満足したらもったいないんだなあと思った。
子供の頃から「三陸の」という枕詞のつく場所で育ったものの、なんとなくしかわからなかった「三陸」の土地。
それが北から南へちゃんと繋がって、自分の中で実感として持つことができた。
とても良い経験になったし、こんな過酷な旅に一緒に付き合ってくれた父に感謝。楽しかった!
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国道45号線ドライブ旅5 @岩手・釜石
http://kihachi.exblog.jp/24678138/
2016-10-01T08:00:00+09:00
2016-09-24T16:03:37+09:00
2016-09-24T16:03:37+09:00
norlie
ぷらっと岩手
釜石といえば、海辺に立つ真っ白な大観音で有名なので、そこへ行ってみることに。
看板に従って車を走らせると、そう遠くない場所にお寺があった。
"釜石大観音"という呼び名の方が有名だが、観音様を擁するのは石応禅寺という曹洞宗のお寺なのだそうだ。
行ってみるとその大きさにびっくりする。
高さは48.5メートルの魚籃観音。
真っ白で美しく、まるで古さを感じさせないので、最近のものかと思ったら、1970年に落慶したとのこと。
意外と古いのでびっくりした。
観音像の中は胎内めぐりできるようになっており、中は13階に分かれていた。
最初の方の階では三十三観音が祀られており、じっくり拝見する。
一人一人の観音様の顔を拝んでいたら、心なしかアブ襲撃事件で波立っていた心が落ち着いた気がした。
その後はひたすら螺旋階段を登っていく。
結構疲れたが、それ以上に、同じ方向に登り続けるため目が回った。
上まで登って目にしたのは太平洋の大パノラマ。
高台に立つ大観音の最上階は海抜120メートルに達する。
それが海すれすれに立っているので、釜石湾をそれはそれは綺麗に見渡すことができた。
風の音以外に音はほとんどない。まるで時が止まっているみたいに静か。
だけど、遠くでは船が沖合へ向かい、世界が動いていることが感じられた。
雲ひとつない青空と濃紺の海が溶け合うまっすぐな水平線。
観音様の最上階にはそのとき自分一人しかおらず、こんな高い場所に、それも吹きっさらしで、自分がたった一人で立っているということが不思議な感覚だった。
振り返ると釜石の街並みや港が見える。
こうやってみると、岩手の三陸沿岸部というのは、本当に海すれすれまで険しい山々が広がっているんだなあとわかる。
起伏が激しく変化に富んだこの地形こそ、リアス式海岸の魅力なんだろうなあ。
東日本大震災の時、『釜石の奇跡』と呼ばれる出来事があったのもこの町だ。
小学生と中学生ら、そして教職員が、自らの判断で、避難方針を変えていき、最終的に安全な高台に行き着いて、監督下の全員が生き残った出来事。
当時、私もニュースで読んで、すごいなと思った。
学校の防災訓練では大抵、校庭に整列させられる。私もそう習った。
ところがこの中学校では、校庭に並ぼうとした学生らを教職員らが高台へ誘導し、隣の小学校の教職員らも同様に、校内の避難から高台への避難に方針を転換させたとのこと。
そして、一定の高台へ行き着いた後も、中学生らがもっと高い場所へ避難した方が良いと判断し、小学生らを連れて移動したのだという。
いくつかの臨機応変な判断が多くの命を救ったという話は、胸に詰まるものがあった。
津波に敏感な土地柄ゆえの判断もあったのかもしれない。
それでもそこに住む子供や若者の多くは、津波を知らなかった世代だったはずで、語り継がれたり防災訓練で意識付けはされていても、実際に行動に移せるというのはやっぱりすごいことだと思う。
そんな釜石の町を見守る観音様。
多くの命を抱いて、今日も静かに太平洋の海を見渡している。
大観音の大きさも去ることながら、観音様の立つ高台からの景色が本当に素晴らしいので、釜石を訪れる方には是非立ち寄って欲しい場所だなあと思う。
観音様の最上階から見る景色も素晴らしいし、観音様の足元から見る景色もとても美しい。
天気の良い日は三陸の美を一望できる場所だと思う。
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国道45号線ドライブ旅4 @岩手・大船渡
http://kihachi.exblog.jp/24678007/
2016-09-24T14:53:00+09:00
2016-09-24T14:59:39+09:00
2016-09-24T14:53:01+09:00
norlie
ぷらっと岩手
宿泊した大船渡プラザホテルのお部屋は本当に快適で、37平米のデラックスツインはゆったり広々で過ごしやすかった。
最初、温泉や大浴場がないのを残念に思ったのだが、その分、お部屋に広い独立したバスルームがついているので、十分満足。
大船渡湾を見渡す好立地で、バルコニーに出ると、左手に飛定地山、そして湾の向こうに八ヶ森まで見渡せて、とても気持ち良い。
バルコニーには椅子とテーブルが置いてあるので、そちらでゆったり過ごすこともできた。
朝食バイキングでたっぷりお腹を満たして、ホテルを出発。
再び45号線に乗って、北へ向かう。
釜石まで一直線に行くのもつまらないので、途中、吉浜のところで寄り道をしていくことにした。
持参していた雑誌の地図に、好景観道路と書かれていたので、吉浜から県道250号線に入り、半島をドライブしてみることに。
ところがこれが結果的に思わぬ時間ロス&精神的ロスになってしまうことになった。
吉浜に曲がると、そこはとても静かで気持ちの良い漁村といった感じで、とてものんびりとした空気が流れていた。
商店とかコンビニとかはまず見当たらず、虫と鳥の声ばかりが響く。
それはもう本当に、海辺の集落を舞台にした映画の世界に飛び込んでしまったんじゃないかと思うくらい、絵になる風景。
夏休みの小学生が一人、道を歩いて行くのを見かけたが、なんだか私まで胸がわくわくした。
集落の片隅に車を止めて、吉浜湾を見渡す。
本当に静かで、平和な景色だ。
ここでの暮らしはどんななんだろうと思いを馳せる。
そんな気持ちの良い集落を走ること30分。
GPSつきのナビを見ると、「あれ、思ったより進んでない」。
半島の折り返し地点までそろそろ着くかなあくらいに思っていたけれども、まだ、全体の6分の1くらいしか走っていなかった。
「このペースじゃ遅くなっちゃうね」といいながら、とはいえ、集落の道路でスピードを上げるわけにもいかないので、ゆっくり走る。
…が、その後が大変だった。
集落の中を走っているうちは整備された綺麗な道路だったのだが、やがて好景観道路はどこへやら。
林道かと思うような細い道になり、周りは林だらけ。
家も人も見えなくなり、鍬台山と物見山と書いてあるあたりに入ると思った以上に道が細く、木が高い。
かろうじて舗装はされているものの、とてもとてもスピードを出せるような状況ではなく、20〜30kmくらいでとろとろ走る。
最初の集落のところを過ぎると、全く好景観を見ることなく半島の先っちょへ。
ところが、半島の先っちょといっても、物見山の影に位置するため、さっぱり景色は良くなかった。
とりあえず、早く半島を脱したい一心で車を走らせる。
道路が細いので対向車が来ないことが救いだったが、他に人がいないというのもそれはそれで不安になってくる。
折り返し地点を過ぎてしばらく車を走らせると、唐丹湾という湾が見えてきた。
青くて綺麗な湾だ。
そしてその向こうには集落が見える。
ああ、よかった。でも結構遠い。今すぐあそこに行きたい。
景観が良かったので何の気なしに車を止めて外へ出てみた。
が、思えばこれが過ちだった。
ふと車を振り返ると…ぎゃーっ!!
車の周りに黒い虫が何匹もたかっている。しかも結構でかい。
車の周りにたかりすぎてて、ドアを開けられない。
怖い怖い怖い怖い怖い。む、無理…。
父に車を前に出してもらって、すぐさま車へ乗り込む。
ところが、虫が2,3匹飛び込んできた。
車の中は大パニック。車を止めてとにかく虫を外へ出し、窓を閉める。
が、1匹でかいやつがバックシートに佇んでいるのが目に入ってしまった。
どうしよう!あれって、どう見てもアブじゃん!!(薄々そう思ってたけど…)
硬直する私を余所に、父がタオルでガシッと捕縛し、外へ出す。
父もアブとわかって結構焦ったみたいだが、そこはさすがというかなんというか、あっさり倒してくれた。
恐ろしいアブから命を守ってくれた我が父に心の底から尊敬の念を抱く。
その後、車内に虫が完全にいなくなったことを念入りにチェックし、車を発進。
車内にはいなくなったが、車の周りには飛び回っていて、とても恐ろしかった。
そんなアブ襲撃事件のせいで、私の心臓はばっくんばっくん。
九死に一生を得たような思いがこの先釜石市まで続くことに…。
振り返って思えば、時期は8月。思いっきりアブのシーズン。
アブは二酸化炭素や車の排気ガスが大好きなので、車に寄ってくる習性があることは知っていたが、数が数なのでとても怖かった。
海の近くだったので油断していたけれども、岩手の沿岸部って言ってみれば山がずっと続いているようなものなわけで…。
田舎や自然が好きだ思っているけれども、このときばかりは「今すぐ都会に帰りたい!」と思ったのだった。
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国道45号線ドライブ旅3 @宮城・南三陸から岩手・大船渡へ
http://kihachi.exblog.jp/24621336/
2016-09-17T09:42:00+09:00
2016-09-11T16:18:04+09:00
2016-08-28T01:31:48+09:00
norlie
ぷらっと南東北
この日は仙台を出て、松島から東松島、石巻、南三陸、気仙沼、陸前高田、そして大船渡へ。
これらの土地は、いずれも、5年前のあの日からテレビで何度も流れた場所。
国道45号線は、東日本大震災の被災地を通る主要道路でもある。
ここからはどうしても震災や津波の爪痕を感じずにはいられない景色が続いた。
思うところはたくさんあるけれども、あまりしんみりしないように書いていきたいと思う。
石巻を過ぎると、国道45号線は沿岸ではなく、かなり内陸を走るので、津波の爪痕と思われるような風景は少なかった。
だから、自分がそれを最初に目にしたのは、国道45号線が再び海にぶつかる町、南三陸町だった。
南三陸町に入ると、国道45号線は大きく沿岸部に曲がり、海すれすれを走るようになる。
内陸部から山を下って、やがて海が見えた時、そこに広がっていたのは、町ではなく大きな空き地だった。
町一つ、確かにここにあったんだなと思うような広大な面積が、灰色の砂利に覆われている。
こんな内陸まで津波が押し寄せ、建物をさらっていったのだということが信じられない。
地面は舗装されておらず、砂利が敷き詰められていて、本当に広大な埋め立て地のよう。
建物はほとんどなく、クレーンや工事トラックがあちこちに止まっている。
なんというか、言葉もなく、呆然とするような広さ。
およそ建物のなさそうな道だったが、石巻から止まらず走ってきたので、そろそろトイレ休憩&コーヒー休憩したい心持ち。
休憩できる場所がないか、探しながら車を走らせていくと、プレハブの建物群を発見。
駐車場に車を止めて出てみると、そこには『南三陸さんさん商店街』の文字。
テレビで見たことのある場所だなとすぐにわかった。
南三陸町の被災地に仮設で営業している商店街。
公共トイレがあったのでお借りした後、コーヒーが飲めるようなカフェを探してみるも、見つからない。
地元の方に「コーヒーを飲める場所はありませんか?」と聞いてみると、近くの商店でコーヒーが飲める場所があると教えてもらった。
ヤマウチという酒屋さんで、入ると完全に商店街の酒屋の雰囲気。
しかし、お店の一角に素敵なカウンターがあり、その向こうにはエスプレッソマシンやコーヒー豆が見える。
酒屋のスタッフさんは、地元に住むお母さん方といった雰囲気で、三人の女性。
「コーヒーを飲めるって聞いたんですけど…」と言ってみると、「はい、飲めますよー!何にしますか?」と元気に聞いてくださる。
メニューを見て、とにかく暑い日だったこともあり、アイスコーヒーをオーダー。
しばらくして、お母さん方の一人がアイスコーヒーを手渡してくれる。
飲んでみると、おいしい!!
体に染み渡る香ばしさ、冷たさ!!
香りが良くて、鼻に抜けるようなコーヒーの味。うまーい!!
「おいしいです!」というと、お母さん方がにっこり笑ってくれる。
椅子を進められたので、カウンターの前に座り、お母さん方と少しお喋りをした。
「仙台から来たんですが、大船渡まであとどのくらいかかりますか?」
「大船渡までなら、もうすぐ夕方だから二時間半くらいはかかるんじゃないかねえ」
「道路混むもんねえ」
「わたしたち、八戸に帰る途中なんです。今日は大船渡に泊まるんです」
「まあ、八戸。私、叔父が八戸にいましてねえ」
そんな感じで、お母さん方の身内のお話を聞いたりする。
やがて、話は震災のことにも及んでいく。
お母さん方は、世間話をするように、震災のことを話してくれた。
私たち旅行者に気を遣わせないように、あまり感情的にならずに、話してくれた。
防災庁舎のアナウンスのこと、この仮設商店街のことなど、ニュースで知っている話もあったが、お母さん方の口から聞くと、ぐっと現実味を帯びたものになった。
震災後、天皇陛下がいらっしゃって、すぐ目の前に来て感激したことも聞いた。
こういう話を、これまでも多くの旅行者にしてきているんだろう。
私もあまりしんみりしないように、相槌を打つ。
コーヒーを飲み終わって、体もたっぷり休められて、そろそろ行きますと席を立つ。
「良い旅を」を言ってくださったので、「がんばってください」と返す。
とっさに出たのは、やっぱり月並みな言葉だった。
今は今という日常があり、それは5年前のものとは違う。
神奈川に住む私は、5年経って、復興がどのくらい進んでいるのか正直よく知らなかった。
東京周辺はすっかり震災前と同じような生活だし、5年も経てば復興もだいぶ進んだだろうというイメージを持っている人も少なくないと思う。
でも違う。
瓦礫だらけだった町は、瓦礫こそ撤去されたが、やっと更地に帰っただけの状態。
元あった建物も人も、戻ってはいないし、生活だって不便なまま。
生活が元に戻ったわけじゃなく、そこに住む人々が、むしろその生活に慣れただけなんじゃないかとすら思う。
復興ってなんだろう。
元に戻すこと?それとも、別の形で前に進むこと?
よくわからないけれど、この場所が、まだ復興のほんの道半ばにあることは、私にもよくわかった。
それでも、お母さん方の眩しい笑顔と、とびきり美味しいコーヒーに、南三陸町の気概と、人間の強さを見た気がしました。
16時頃、商店街を出る。
酒屋のお母さん方は「この時間だと、大船渡までなら二時間半くらいはかかる」と言っていたが、うちのナビさんは「大船渡なら一時間半で着く」と予測。
実際に車を走らせてみると、やはり正しいのはお母さん方のほうだとわかった。
途中の気仙沼あたりで、平日の帰宅ラッシュの時間になり、国道45号線は大渋滞。
亀のようにノロノロ運転で市街地を走ること一時間弱。
国道45号線は気仙沼でも沿岸部を走るため、震災の爪痕を多く目にした。
しかし、それ以上に大渋滞を起こすほど多くの人々が、この町で暮らしているんだということが、さすがは大きな市だけあって頼もしくも感じた。
山の稜線に日が落ち始める頃、車は岩手県に突入。陸前高田へ。
ここでは、45号線から遠くに奇跡の一本松が見えた。
「あれが、あの有名な松か!」と少し興奮。
陸前高田のあたりは、南三陸町に似たような雰囲気で、建物もほとんどなく、砂利の更地が広がっている風景だった。
そこにポツンと松が一本。
希望の象徴として、あるいは、生き残った強さの象徴として、心情を重ねてしまうのも無理ない風景。
私も、思わず手を合わせる。
暮れなずむ国道45号線を走り、すっかり暗くなった頃、なんとか大船渡市に到着。
19時前くらいに、宿泊予定の大船渡プラザホテルにチェックイン。
疲れたー!!
外に食べに行く元気もなく、ホテルの1階で夕食。
リーズナブルで、かつ、とても美味しかった。
ボンゴレビアンコをいただいた。
大きなアサリがこれ見よがしにたっぷり入っていて、濃厚なアサリエキスがパスタに絡みつく。
素直に満足。
こちらのホテルは各部屋についた浴室が広くて綺麗で、湯船に浸かってゆっくり休めた。
明日はいよいよ大船渡から八戸までの行程。
早めに就寝して、英気を養う。
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国道45号線ドライブ旅2 @宮城・東松島
http://kihachi.exblog.jp/24621207/
2016-09-10T09:43:00+09:00
2016-09-11T16:00:28+09:00
2016-08-27T23:39:53+09:00
norlie
ぷらっと南東北
奥松島というのは、松島湾を囲むように突き出た宮戸島、寒風沢島のあたりを言うそうで、地理的には松島市の隣の東松島市に位置する。
車を走らせていると、海と島々が入り組んだ複雑な地形が次々見えて、魅了される。
小さな漁村や入り江もたくさんあって、これは楽しそうな場所だなあと思うことしきり。
民宿に泊まって一夏を過ごしたくなる場所。
澄んだ青空の下、海も青く綺麗。
複雑に入り組んだ島々の、木々の緑と岩の白さがなんとも趣深く、まるで絵のよう。
静かな漁村といった感じで、とてものんびりした空気が流れていた。
四大観の一つ『壮観』にあたる大高森は、この奥松島にあるのだけれど、残念ながら時間がないのでスルー。
どんどん奥に車を走らせる。
奥松島のことはよく知らないので、とりあえず行けるところまで行ってみた結果…。
島の道路の一番奥と思われる場所に到着。
この場所は、私自身は初来訪だったが、震災前に父が一度奥松島へ来た時、思い出に残っていた場所だったのだそう。
どうなっているかわからないけど行ってみたいと言うので、ここまで車を走らせてきたのだった。
恐る恐る車から出てみると、堤防の向こうに小さなビーチ発見。
大浜海水浴場というらしい。
父自身も以前、適当に車を走らせてたまたま見つけた場所だったそうで、地名を知らないまま再訪。
この奥松島を含む東松島市は、2011年の東日本大震災の被害が大きかった場所の一つ。
宮戸島にある2つの海水浴場(大浜海水浴場や、月浜海水浴場)も、島の方々が復旧したことで、今のこの美しい砂浜を取り戻したのだそうだ。
それでも以前あった小屋や建物がなく、風景は変わっているようで、父の以前の記憶とすり合わせ、しんみりした。
初来訪の私にとっては、今は小さく静かな、景観の良い海水浴場。
この日は人が少なく、プライベートビーチのように気持ちよかった。
この近くには、宮戸島の名所・嵯峨渓という観光地があるそうで、今度はそちらにも行ってみたいなあと思いながら島を後にする。
奥松島を後にし、再び45号線を北上。
石巻へ向かって車を走らせていると、空に思わぬ飛行機雲が!
これってまさか…。
ブルーインパルス!!!
そういえば、東松島市には、ブルーインパルスが所属する航空自衛隊松島基地があったのだった。
ブルーインパルスは、航空自衛隊第4航空団に所属する第11飛行隊の呼び名で、アクロバット飛行を専門に行うチーム。
日本各地の自衛隊航空祭のイベントなどで、曲芸飛行を披露するチームで、この東松島市で訓練飛行が行われている。
つまり、ここでは結構な頻度でブルーインパルスの飛行姿を見ることができるそうで…。
感激だ〜!!!
結構前からブルーインパルスに興味があり、ずっと見てみたい見てみたいと思っていたのだが、一度も叶っておらず。
地元の三沢航空祭は雨だったり、仕事の都合が合わずに帰れなかったり、神奈川周辺で狙ってみてもなかなか予定が合わなかったり…。
ここ4,5年くらい、虎視眈々と機会を伺いながら、まだ一度も見れていなかったブルーインパルス。
まさかこの旅で会えるなんて。
どこかの航空祭に行かなければ見られないとばかり思っていたので、本当にうれしい限り。
一気にテンションが上がる。
大空に弧を描く一機のソロ飛行。
隊を組んで揃って舞う四機の編隊飛行。
本当にかっこよくて、いつまでも子供のように空を見上げました。(コンビニの駐車場から)
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国道45号線ドライブ旅1 @宮城・松島
http://kihachi.exblog.jp/24621103/
2016-09-03T09:56:00+09:00
2016-09-11T16:00:03+09:00
2016-08-27T22:40:09+09:00
norlie
ぷらっと南東北
仙台観光が本当の目的ではなく、今回の旅は『国道45号線ドライブ旅』。
国道45号線というのは、宮城県仙台市から太平洋沿岸に沿って青森県青森市まで続く国道。
この道路に沿ってドライブしてみたいというのが長年の夢だった。
八戸から宮古までは何度も車で走ったことがある道だが、それより南は未知の世界。
当初は八戸から仙台まで走るつもりだったのだが、お天気の都合などもあり、松島から八戸までの復路で45号線を走ることに。
昼まで秋保大滝や瑞鳳殿を観光した後、まずは腹ごしらえ。
利府の道路沿いにあった南部屋敷でうな丼とミニ蕎麦をいただく。
南部屋敷は岩手県のお蕎麦のチェーン店。大きな道路沿いによくあるイメージ。
この日はたまたま道路沿いに南部屋敷を見つけ、お腹も空いたのでそこで昼食。
宮城県なのに、盛岡にいる気分になる。
この時点ではまだ県道8号線。
8号線から海沿いに出て、松島へ。いよいよ45号線の旅がスタート。
松島は5年前にも来て遊覧船を満喫したので、今回は展望台へ行ってみることに。
松島海岸から一番近い四大観の一つ『幽観』こと扇谷へ行ってみた。
45号線から未舗装の道に逸れ、少し車を走らせると、駐車場らしき所に到着。
幽観の場所までは、5分くらい階段を上がると着く。
晴れた空に遠くの島々が見渡せて、気持ち良い。
ただ、ちょっと周辺の木が多かったような。
時期的なもの?夏だから木の葉っぱがわさわさしてるせい?
四大観といえば、他に壮観、麗観、偉観があり、やっぱり一番標高の高い壮観の景色を見てみたいことしきり。
でも、壮観のある大高森はちょっとした登山コースなので、今回は時間が足りず、幽観のみ。
他の場所はまたいつか行けるといいな。
幽観の後は、45号線に出ていた看板を見て、すぐ近くにある双観山展望台へ。
ここは、四大観ではなかったが、ひっそり気持ちの良い展望台があった。
個人的には幽観よりも、こちらの景色の方が開けていて気に入った。
足元には松が広がり、その先に海、そして島々。
そんなに高い位置ではないので、見下ろすとまではいかないが、島々は綺麗に見える。
人も少なく、吹き抜ける風が気持ちの良い場所。
双観山を楽しんだ後は、少し寄り道。
45号線に戻らずに、脇道を進んでみると、どんどん下に降りて行ってやがて小さな入り江に着いた。
ほとんど波のない静かな入り江。
時折、遠くに遊覧船が横切っていくのが見える。
のんびり気持ちの良い場所。
松島ってこういう場所がいくつもあるんだろうなあ。
一休みした後は、再び車を走らせ45号線へ。
この後は、また少し道を逸れて、奥松島へ向かう。
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伊達政宗公を探して、瑞鳳殿へ @宮城・仙台
http://kihachi.exblog.jp/24593364/
2016-08-27T09:21:00+09:00
2016-09-11T15:59:47+09:00
2016-08-13T23:22:22+09:00
norlie
ぷらっと南東北
奥州の雄、独眼竜の異名を持ち、高い人気を誇る戦国武将。
ただでさえ有名な戦国武将の少ない東北地方は、戦国武将といえば伊達政宗頼みの感もあり、結構親しみを覚える。
私の地元は伊達藩ではなく南部藩なのだが、それでもやっぱり、伊達政宗は好き。
そんなわけで数年前に仙台城址に行ってから、一度来てみたいと思っていたのが伊達政宗の霊廟・瑞鳳殿。
秋保大滝を後にした私たちは仙台駅の南側にある瑞鳳殿へ。
駐車場から結構な急坂とそこそこ長い階段を登る。
猛暑も相俟って、日陰なのに疲れた。
階段を上ってゆく。
手前の坂と違って、階段はなだらかなので登りやすく、あっという間に着いた。
こういうひっそりとした雰囲気は好き。鎌倉みたい。
瑞鳳殿に到着。
出口から入場券なしで逆走してしまう人がいるのか、瑞鳳殿とその他の拝殿との間になぜか自動ドアが設置され、片側からしか開かないよう制御されていた。
屋外なのに、そして霊廟なのに、現代的な自動ドアだけあって、なかなかシュールな光景…。
拝殿は全体的に黒漆が塗られており、そこに金箔の装飾。伊達政宗のイメージ通り、かっこいい。
そして、それ以上にかっこよく、惹かれたのが、斗組の美しさ。
こんな斗組は初めて見た。色遣いがすごい。
組み方もなんだかすごい。しかも、なんか全ての斗に紋までついてる。
派手だけど、色彩のトーンが統一されていて、好感が持てた。
何か計算された色遣いなのだろうか。本当に面白くて、パズルのよう。
黒漆の扉に金箔で大きく象られているのが、伊達家の家紋『竹に雀』と『九曜』。
一方、斗組に刻まれている紋は4種類くらい?
パッと見て、『九曜』と『菊』と『三つ巴』と…あとなんだろう。
わからないけれども華やかな色遣いとデザインに圧倒された。
ずいぶん現代的な色遣いだなあと思って見ていたら、どうやら現代風なのではなく、安土桃山様式がこういう色遣いなのだそう。
知らなかった。華やかな文化だったのだなあ。
敷地内には伊達政宗の霊廟・瑞鳳殿の他、二代藩主伊達忠宗公の霊屋・感仙殿、三代藩主伊達綱宗公の霊屋・善応殿がある。
建築様式は瑞鳳殿とほぼ同じだが、若干控えめな作り。
折しもこの日は、仙台の七夕祭りの2日前。
瑞鳳殿では毎年七夕祭りの時に、七夕ナイトという夜のイベントを行うようで、敷地内にはそこかしこに吹き流しや笹が飾られていた。
華やかでとても綺麗。政宗公も喜んでいるのではないかなあ。
瑞鳳殿は今年の8月10日から11月中旬まで漆塗装塗り替え工事で見られなくなってしまうとのこと。
私が訪れたのはちょうど一週間前。
旅行の日程が少し遅れていたら見れないところだったので、ラッキーだった。
それにしても、瑞鳳殿。一番心に残ったのは、やはりあの素敵な斗組でした!
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夏の鳴子峡 & 秋保大滝へ @宮城
http://kihachi.exblog.jp/24593228/
2016-08-20T09:54:00+09:00
2016-09-11T15:59:33+09:00
2016-08-13T22:18:31+09:00
norlie
ぷらっと南東北
紅葉で有名な場所だが、夏の鳴子峡も気持ちよさそうなので行ってみることに。
東北自動車道の古川ICを降りて国道47号線を北西へ向かうと、鳴子温泉に着く。
その鳴子温泉を過ぎて少し行ったところに、鳴子峡があるとのこと。
駐車場へ降り立ってみて、最初はどっちの方向が鳴子峡なのかよくわからなかった。
とりあえず、開けた方に歩いて行ってみるとすぐに、あの有名な景色を発見。
これだ!
この景色に、心の色眼鏡で紅、黄、オレンジ色の秋景色をイメージしてみる。
うーん、美しかろう!
まさにこれがいろいろなポスターやテレビで見た鳴子峡。
今は青々としているけれど、それもまたとても気持ちいい。
駐車場も閑散としていて、過ごしやすかった。
秋はさぞ美しい景色が見られるのだろうなと思う反面、人でごった返すのかなあと思うと少し大変そう。
それにしても、ポスターでよく見ていたこの景色の中心にある橋。
鳴子峡といえばこの橋がどの写真にも出てくるけれど、この橋はまさに今、ここへ来るときに車で通ってきた国道47号線。
この橋って国道47号線の橋だったのね〜と、それはそれでしみじみ驚いた。
もっとなにか、山奥の橋とかをイメージしていたので。
この峡谷の木々が全て紅葉で色づいたら、本当にため息が出るような美しさになることだろう。
観てみたいなあと思いながら、後にしたのだった。
(この後は、前回の日記に書いた、仙台うみの杜水族館へ行きました。)
翌日、仙台宿泊後に真っ先に向かったのは仙台の奥座敷・秋保温泉にある秋保大滝。
幅6メートル、落差55メートルのこの滝の良いところは、滝つぼまで歩いて降りることができ、間近で滝を見られること。
しかも、滝つぼまでわずか5分で、結構さくっと行ける。
(その代わり、帰りは急な階段を登ることになる。登りはつらいと聞いていたので、とてもゆっくり歩いたおかげか、私はそこまで疲れずに済みました)
滝つぼまで降りてみて思ったことは、確かにすごく近い!
滝の水飛沫が顔にかかり、眼鏡が飛沫でびしょびしょに…。
マイナスイオンいっぱい、というより水滴いっぱいの滝つぼ遊び。楽しかった!
そして、滝つぼの迫力と涼しさもさることながら、振り返ってみて、思わずはっと息を呑んだのは、滝から落ちた水が流れていく渓流の美。
滝つぼから飛んでくる細かい水しぶきが夏の日差しできらきら反射し、光のベールのように見える。
その向こうに、幻想的な渓流の風景。
大瀑布だからこその水飛沫と、光が織成す美しい渓谷美でした。
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いのちきらめく うみ / 仙台うみの杜水族館
http://kihachi.exblog.jp/24593157/
2016-08-13T21:51:00+09:00
2016-09-11T15:59:20+09:00
2016-08-13T21:51:17+09:00
norlie
ぷらっと南東北
1日目、まずは仙台うみの杜水族館へ!
昨年7月にオープンした新しい水族館。
仙台市の海沿い、高砂中央公園内に開けた明るい雰囲気の建物で、広々として気持ちよかった!
私が訪れた日は8月第1週の平日。
人はたくさんいるけれども、決して大混雑しているわけではなく、一つ一つの水槽やショーをじっくり見ることができた。
館内に入ってすぐ目の前にあるのが、大水槽『いのちきらめく うみ』。
三陸の海を再現しているそうで、アカエイやホシエイが気持ちよさそうに横切っていく。
そしてその向こうに、きらきら光るマイワシの群れ。
個人的にはマダイのぼーっとした顔がなんとも愛らしく気に入った。
あとは、黄色と黒の縞々模様のカゴカキダイが綺麗だったなあ。
まさに名前通り、たくさんの命が煌めく海。
三陸の海にはこんなにも多くの魚がいるんだなあと初めて知った。
いろいろな水族館に大水槽があるけれど、このうみの杜水族館の大水槽は、高さがある点と、外からの光が取り込まれている点がよかったと思う。
とても気持ちよく、開放感があって、海を覗いているみたいだった。
館内は1階が東北の海を再現したコーナー。
面白い魚や身近な魚、愛らしい魚たちがたくさん展示されている。
個人的には、東北の水族館なので、冷たい親潮の海にいる魚たちのコーナーがよかった。
そのまま屋外に出るとヤマメやイワナがいる広瀬川を再現したコーナー。水族館だけどリスもいた。
その先のエスカレーターを上がるとショーが行われるプールに続く。
こちらのプールではアシカとイルカのショーを観覧。
仙台うみの杜水族館は、横浜八景島が運営に参加しているそうで、中には八景島からやってきたイルカもいるのだそう。
嬉しいご縁を感じました。
どのイルカも本当に人懐っこい様子が印象的で、愛らしかった。
ショーに参加しているのはほとんど(全部?)がバンドウイルカのよう。
待ち時間も、イルカたちがそれぞれ自由に遊び回っていて、よいしょとプールサイドに上がってみたり、物を倒して遊んでみたりと、イルカたちが気ままに過ごしているので、それも含めて楽しいショーを見ている気分。
あっという間の待ち時間だった。
ショーが始まるとまずはアシカからスタート。
アシカも手を叩いたり、華麗なジャンプを見せてくれたりと、大活躍。
普段、水族館でのんびりしている姿ばかりを見ていたので、こんなに素早く動いて、大ジャンプできるのかと感心した。
続くイルカたちのショーも、人間と連携しての見せ方がとても上手で面白かった。
人間を押して一緒に飛ぶジャンプや、見所の一斉ジャンプなどはやっぱり清々しい。
物理的にもイルカとの距離が近く、迫力があって楽しかった。
改めてイルカって頭がいいんだなあと実感。そしてとても人懐っこいんだなあと。
ショーの後は2階の『世界のうみ』のコーナー、そして『海獣ひろば』のコーナーへ。
ここで、とってもかわいいペンギンに遭遇。
『フェアリーペンギン』や『コダカペンギン』の名を持つ世界一小さなペンギンなのだそう。
日本では、わずか数ヶ所の水族館でしか飼育されていない種類とのこと。
(そのうち1つは行ったことがあるはずなのだが、このペンギンは記憶に残ってなかった!)
なんて愛らしい姿!愛らしい仕草!
胸がキュンとして、いつまで見ていても飽きない。
一挙手一投足が愛らしい。
座っている姿も愛らしい。
お腹の毛はなんだかもこもこしてそう。
目がつぶらすぎて、開いているのか閉じているのかよくわからない。
そんなところも可愛い。
もともとペンギンはどの種類も本当に可愛いけれど、この子はツボでした!
ゆっくり見て回った後は、最初の大水槽のマイワシのショー『Sparkling of Life』を観賞。
こちらも見応えがあってすばらしかった。
最近、いろいろな水族館でイワシのショーをやっているそうなのだが、私が観たのはこれが初めてのこと。
きらきら輝くイワシの一群が一つの生き物のように力強くうねり、とても美しかった。
これは何度でも見たいなあ。
仙台うみの杜水族館。
期待以上に見応えがあって面白かった。
機会があればまた行きたいなあ。]]>
ディズニー最新作『ズートピア』観てきました!
http://kihachi.exblog.jp/24327477/
2016-04-24T17:38:00+09:00
2016-09-11T15:59:01+09:00
2016-04-24T17:38:40+09:00
norlie
Movie / TV
一言にするとこの言葉に凝縮されてしまうのですが、とっても面白かった!
終始スクリーンに釘付けになるテンポの良さ、展開の面白さ。
観た後の湧き出るような満足感。
鑑賞後、映画館を出て行く人たちは、大人も子供も、カップルもサラリーマンもみんなにっこり笑顔だったのが印象的でした。
子供向け作品かと思いきや、大人向け作品でもある。
夢と希望のアドベンチャーでもあり、絶妙なクライムサスペンスでもあり、アクションシーンもあり、思わず笑いが漏れるようなコメディシーンもあり。
近年アメリカでも大人気の凹凸コンビを主役に据えた、二人の絆を描くバディものでもある。
ストーリーや設定、台詞回しにテンポの良さ、本当にバランスの良い、素晴らしい作品でした。
"Life's a little bit messy. We all make mistakes.
No matter what type of animal you are, change starts with you."
生きるのってなかなか大変。私たちは皆、間違いを犯す。
たとえあなたがどんな種類の動物だったとしても、変化はあなたから始まる。
(『ズートピア』より)
あまり物語の核心には触れないようにしながら、ネタバレを少しだけ含む感想を書きます。
心に残ったポイント1:人間社会のメタファー
映画の中の住人たちは、いわゆる"野生動物"たち。
この"野生動物"たちが、現代の私たち人間のような文明社会を営んでいる、それがこの『ズートピア』という作品の世界観です。
犬や猫のように人間の暮らしに溶け込んだ動物ではなく、キリン、カバ、ゾウ、キツネ、ウサギなど、野生で生きている動物たちが描かれるのですが、この描かれている世界は完全に人間の現代社会。
動物たちは服を着て暮らし、子供は学校へ、大人はスーツを着て会社へ行きます。スマホを使いこなし、電車で移動します。
だから、この世界で起きることは、動物界の出来事ではなく、完全に私たち人間社会の出来事。
だけど、動物たちがそれを比喩してくれているので、それほど生々しくはないし、どこかユーモラスで、愛らしい。
少しばかり重いテーマであっても、ポジティブな後味とともにすとんと胸に落ちました。
心に残ったポイント2:ウォルトディズニーが描く、ふわふわ毛並みのこだわりの動物たち
オフィシャルトレーラーの紹介映像を見るとわかるのですが、この作品の中では、動物同士の縮尺が正確に対比されています。
動物を擬人化した多くの作品では、動物同士の寸法が一定になってしまうことが多い中、この作品では、ネズミはネズミの大きさで、ゾウはゾウの大きさで、というように、一般的な動物の寸法通りに描かれています。
主人公のジュディはウサギなので、とっても小さい。
せっかく警察官になれても、周りの同僚はカバや水牛、オオカミたち。彼らに比べると、10分の1くらいのサイズもありません。
ジュディの相棒になるニックはアカギツネで、ジュディに比べたら、頭一つ分くらい大きいのですが、それでもやっぱり小さめ。
そういうふうに、動物同士の縮尺を正しく描いているからこそ、動物同士の多様性や彼らが抱く偏見がよりリアルに感じられました。
それからとても良かったのが、キャラクターの耳の動きとふわっふわの毛並み!
ジュディやニックの耳がとても感情豊かで、集中していたり元気にしているときはピンと立っていたり、驚いたり心配しているときはしゅんと寝ていたり、本当に愛らしい動きでした。
ジュディはウサギということもあって、遠くの音をキャッチするときにはピンと耳が立ち、リラックスしていたり元気がないときは耳が完全に下向きになったりします。
私もウサギを飼っていたことがあるので、「ああ、うちの子もこんなだったなあ」と思い出してしまいました。
一方、ニックはというと、飄々としているのでわりといつも耳が立っているのですが、驚くと耳が少し後ろになるし、優しい表情や悲しい表情、心配そうな表情をするときは耳がぺたっと寝たりして、言葉以上に耳の動きがとっても感情豊か。
また、動物たちの毛並みが本当にふわふわで、触ったら気持ち良いんだろうなあと思ってしまうような映像美でした!
プロデューサーのクラーク・スペンサーもインタビューで言っていたのですが、「64種類の動物たちの毛を1つ1つマイクロスコープで徹底的に研究」し、忠実に再現しているのだとか。
「シロクマの毛は普段は透明だけど日光に当たると白くなるとか、キツネの毛は根元が暗いとか、ヒツジの毛には葉っぱが紛れ込んでいてちょっと汚いとか」と語る通り、本当に見事なのです。
ウォルトディズニーアニメーションスタジオというと『塔の上のラプンツェル』や『アナと雪の女王』、『ベイマックス』など、最近は人間を主役に据えたCG作品が多く、人間以外が主役になる作品はピクサー作品に多いイメージがあったのですが、いやいや、動物といえば、ミッキーやドナルド然り、ダンボやバンビ然り、昔からのディズニーアニメの十八番だったじゃないかと納得させられる出来栄えでした。
心に残ったポイント3:ジュディとニックの凹凸コンビが最高!
物語の主人公はウサギのジュディ。
真面目で正義感が強く、ポジティブな性格で、「ウサギの警察官なんて聞いたことない。絶対無理だからやめなさい」と言われても、諦めずに努力して、夢を叶えたところから映画はスタートします。
念願の警察官という職業と、「誰もがなりたいものになれる(anyone can be anything)」という楽園ズートピアへの、夢や希望を胸に抱き、田舎から上京。
ところが、配属先のボゴ署長(水牛)は、ウサギのジュディをとりあってもくれず、事件捜査の仲間外れに。ジュディは切符違反係にされてしまいます。
上京先のおんぼろアパートは狭いし汚いし、隣人はうるさいし。
そんな「最初からうまくはいかない」状況の中、ジュディは努力をし続けます。
このように書いていて思ったのですが、この映画はよくある「夢を叶えるまで」を描いているのではなく、「夢を叶えた後」を描いているのだなあ。
夢を叶えた後、それはゴールではなく、スタートライン。
たとえ夢を叶えても、何度でも失敗するし、うまくいかないこともある。それでも諦めずに何度でもやってみよう。
まさに、シャキーラのテーマソング"Try Everything"の歌詞どおりだなあと思いました。
そして、そんなジュディの相棒になるのが詐欺師のニック。
ニックはアカギツネで、「ずる賢い」というステレオタイプな先入観を持たれることに失望し、そのままの人生を送ればいいんだと、どこか人生を諦めています。
そんな二人がコンビを組むというところもポイント。
自然界でアカギツネはウサギの天敵であり、ウサギの捕食者にあたります。
そんな天敵同士の二人なので、「キツネ避けスプレー」とか、ラストの方に登場するシーンなど、その関係性をうまく生かしたシナリオが随所に登場。
それがまた、観客にハラハラドキドキ、あるいは、胸をキュンとさせるような描き方で、うまいなあと思ってしまいました。
この二人のコンビは、近年アメリカのドラマでも大人気の凹凸コンビのバディもののクライムサスペンスそのもの。
『BONES』『キャッスル』『エレメンタリー』のような男女のバディが事件を解決していくという流れにぴったりで、それも物語に引き込まれてしまったポイントだなあと思いました。
ジュディの声を演じるのは、オリジナル版ではジニファー・グッドウィン。
『ワンス・アポン・ア・タイム』というドラマで白雪姫を演じている女優さんです。
とても柔らかく、綺麗で愛嬌のある声なので、ジュディのイメージにぴったり。耳触りのとても良い声だなあと思いました。
途中、ジュディが泣きながら話すシーンがあるのですが、巧すぎて私ももらい泣きしそうに…。
そして、ニックの声を演じるのは、オリジナル版ではジェイソン・ベイトマン。
少し前まで"Arrested Development"(邦題は『ブルース一家は大暴走』)の主役マイケル・ブルースを演じていた俳優さんです。
こちらもニックの声にぴったりで、ユーモラスだったり、詐欺師っぽく軽妙な話し方をしたり、焦った話し方、真摯な話し方など、さすがだなあと思いました。
日本語版では上戸彩さんと森川智之さんが演じられているとのこと。
まだ吹替版は見ていませんが、上戸彩さんは声が綺麗ですし、森川智之さんはベテラン声優さんなので、そちらも見てみたいなあと思っています。
関係ないけどフィニック(ニックの相棒)の声には驚愕した!
心に残ったポイント4:偏見と多様性という2つの大人向けメッセージ
「何度失敗しても諦めずに頑張ろう」というポジティブなメッセージの裏で、この映画全編にわたって感じたのは「多様性を歓迎しよう」&「先入観を持たずに相手の本質をちゃんと見よう」という大人向けのメッセージでした。
様々な動物が暮らすズートピア。
その舞台もまた様々で、砂漠の街サハラ・タウン、雪と氷の街ツンドラ・タウン、高層ビルが立ち並ぶ大都会サバンナ・セントラル、ネズミのような小動物が暮らすリトル・ローデンシア、熱帯雨林のレインフォレスト地区などがあります。
ジュディはズートピアの外にある田舎町バニー・バロウからやってきました。
そんな都会育ちや田舎育ち、多種多様で様々な習慣や大きさの動物達、草食動物や肉食動物などが一緒に暮らすズートピアは、まさに多様性の街。
近年、社会でも「ダイバーシティ(多様性)」の重要性はよく聞きますが、まさに多様性を歓迎しよう、という姿勢がこの映画の中にはあるように思いました。
そしてそんな多様性社会を生きるからこそ、ぶつかってしまう偏見、先入観の壁。
ウサギのジュディが配属後すぐに受けるボゴ署長からの扱いは、一昔前の警察ドラマなどでよく見られた、男社会に飛び込んだ女性への差別のようにも感じられたし、アカギツネのニックが子供の時に負った心の傷は、学校社会でのいじめ問題のような一面にも思えました。
そんなふうに偏見による差別を受けたジュディが、今度は思わぬところで、自分自身が差別をする側に回ってしまう。
肉食動物への先入観で、社会に、そして相棒のニックに、影響ある発言をしてしまいます。
「こんなのはズートピアじゃない。私のズートピアを返して」
物語の中でガゼルが言う言葉が、とても印象的でした。
人種や性別、体格や容姿。育った環境や出身地。
学歴や収入。友達の数や趣味。
人は様々なもので、相手を判断します。それがいつのまにか先入観になり、偏見になります。
自分と似た価値観ばかりを受け入れていけば、世の中は敵ばかり。
自分と異なる価値観も受け入れよう。多様性ある社会を歓迎し、寛容に生きよう。
先入観を持たずに、相手の本質をちゃんと見よう。
私たち大人にとっても大切なメッセージを、こんなに前向きな気持ちで受け止められたのは、ディズニーの魔法あってこそ。
心に残ったポイント5:コメディセンス抜群のナマケモノ&エンターテインメント性抜群のガゼル
この映画には随所に、思わず声を出して笑ってしまうようなコメディシーンがあるのですが、中でも群を抜くのがナマケモノのシーン。
特に英語版だと、文法の力も相俟って、話しっぷりが面白くってたまりませんでした。
映画館の会場全体に笑いが起こった一番のシーン。
ニックがナマケモノの知り合いを紹介するとき、「最速のフラッシュだ」と紹介するのですが、「えっ、どこが最速!?」と思ってしまうキャラクター。
ところがその「最速」の意味は、終盤のシーンでわかるようになっています(笑)
そして、劇中に登場するポップスターのガゼルは、この映画のテーマソングの歌い手。
オリジナル版ではコロンビアの歌姫シャキーラが歌っています。
彼女の南米の雰囲気らしい、皆で体を揺らして踊りだしたくなるような楽しい曲。
ジュディが上京するシーンで、まるでディズニーランドさながらのズートピアの各エリアを列車が通っていくときに流れ、映画の始まりのワクワク感を助長させられました。
そしてラストは、ガゼルのライブ。
登場人物達がみんなそれぞれにリズムに乗って仲良く踊るシーンは、ズートピアらしい楽しさいっぱいの曲がぴったり。
ポジティブな気持ちで劇場を後にできたのは、このガゼルの"Try Everything"の影響も大きかったかなと思います。
この作品に出会えて良かった。観て良かった。
心からそう思える素晴らしい映画でした。
私もジュディのように、どんな苦境でも諦めずに自分に何ができるか考えられるようになりたいし、ニックのように、過ちを犯した相棒を許してまた手を取り合えるような人間になりたい。
ズートピアのように多様性ある社会を前向きに生きていきたい。
そんな風に思えました。
昨日は字幕版で観たので、次回は日本語版も観てみたいなあと思います。
字幕版もあと数回は観に行きたいです。
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横浜・西洋館のクリスマス(カナダ、ウクライナ、フランス)
http://kihachi.exblog.jp/23979036/
2015-12-26T19:21:00+09:00
2015-12-20T19:32:01+09:00
2015-12-20T19:32:01+09:00
norlie
横浜暮らし
前回に続き、西洋館の『世界のクリスマス』。
ベーリック・ホールの今年のテーマは、カナダのクリスマス。
カナダのクリスマスってあまりイメージが無いのだけれど、全体的にウッディなインテリアだった。
コーディネーターの方がフローラルアーティストというだけあって、ところどころに花々や木々が効果的に飾られている。
無造作に飾られた感じが好感を持てた。
ここのダイニングには、焼き菓子がたくさん置いてあって、とても幸せな気持ちになった。
今年は、あまり料理を飾ってくれるコーディネートが少なく、やっぱりダイニングにはお料理がないと何か物足りない。
こちらのダイニングにはクグロフにシュトーレン、フルーツパウンドケーキがあって、とても美味しそう。
冬はやっぱり焼き菓子がいい。
熱い紅茶をふうふうしながら、カップを持つ両手がじんわり温まり、焼き菓子の美味しさが口一杯に広がる。
時間がゆっくり自分の中に溶けていく、幸せなひととき。
外交官の家のクリスマスは、ウクライナをテーマにしていた。
煌びやかではないが、質素で温かみのある民族風のクリスマス。
民族衣装などでよく見られる様々な模様の布地がとてもきれいだった。織物もあれば、刺繍もある。
こうやってみると国は違えど、どこかこぎん刺しと似ているような気もして、こういう手芸の文化って興味深いなあと思った。
イースターのときのように装飾された卵がリビングに飾られていた。
これはウクライナ伝統の卵細工でビサンカというものらしい。
私はあまりウクライナのことを知らない。
だから今年の各館の中でも、最も”異国"を感じるクリスマスだった。
ブラフ18番館のテーマはフランス。
イギリスやドイツに並んで、オーソドックスで親しみやすい雰囲気。
こちらのダイニングには、パンとチーズ、シャンパンも一緒に飾られていて、やはり食べ物があるほうが、食器だけのダイニングよりもずっと魅力を感じるなあと思った。
だって、やっぱり、イメージしやすい。
この食卓を囲んで過ごすディナーを思い描くことができる。
食べ物の効果は大きい。
カフェテーブルにはマカロンとマシュマロ、オーガニックティー。
この可愛い缶はどこのお茶だろうと思ったら、フランスのLOV Organicという有名なオーガニックティー専門店のものだった。
同じく缶が可愛くて有名なKusmi Teaブランドのセカンドラインとのこと。
Kusmi Teaはどちらかというとクラシックなデザインのイメージだが、LOV Organicは北欧をイメージしているよう。
可愛いなあ。ハーブティーはちょっと好き嫌いがあるので、あまり好んで飲む訳ではないのだけれども缶が欲しい。
西洋館のクリスマスを楽しんだ後は、実はアフター6パスポートでディズニーランドへ行ってきました。
ワールドバザールの雰囲気は、まさにクリスマスマーケットという感じで、気持ちも高揚。
ワンス・アポン・ア・タイムのショーや、カリブの海賊、ビッグサンダーマウンテン、夜のジャングルクルーズなど、久しぶりのディズニーランドの夜を満喫。
さて、2015年の西洋館のクリスマスのテーマをまとめると・・・。
外交官の家(ウクライナ)
ブラフ18番館(フランス)
ベーリック・ホール(カナダ)
山手234番館(ドイツ)
エリスマン邸(オーストリア)
イギリス館(イギリス)
山手111番館(オーストラリア)
111番館は時間の都合で行けなかったけれども、今年も楽しかった。
日本では、クリスマスは祝日ではないので、子供の頃と違って普通の平日(=仕事)ということで何とも味気ない。
そんな中、この西洋館の『世界のクリスマス』のおかげで、毎年クリスマス気分を味わえることに感謝です。
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横浜・西洋館のクリスマス(イギリス、ドイツ、オーストリア)
http://kihachi.exblog.jp/23978984/
2015-12-20T19:18:00+09:00
2015-12-20T19:17:56+09:00
2015-12-20T19:17:56+09:00
norlie
横浜暮らし
横浜の冬の風物詩、西洋館の『世界のクリスマス』。
この期間、山手にある西洋館は、それぞれ特定の国のクリスマスをテーマに美しく彩られる。
毎年、12月1日からクリスマスの日まで開催され、多くの人々が訪れる、異国情緒溢れる横浜らしい恒例のイベントだ。
まずは、イギリスのクリスマスをテーマにしている『イギリス館』へ。
山手の西洋館の中でもこの館だけは名前に国名が入っているため、毎年変わらずイギリスをテーマにしている。
それでも毎年見ていると、テーマの移り変わりと共に飾り付けも大分変化していて、なかなか面白い。
今年のイギリス館はコッツウォルズのクリスマスをテーマにしているとのこと。
クラシック調のインテリアに、可愛らしいオーナメント、美味しそうな焼き菓子。
ここのクリスマスはいつも一番馴染みやすいと言うか、奇抜さよりも親しみがあっていいなと思う。
ツリーの下に、様々な包装紙で包まれたプレゼントが山のように置いてある。この様子は、やっぱり子供の頃からの憧れだなあ。
廊下には上品で可愛らしい妖精の絵が飾られていて、思わず見惚れてしまった。
美しい色合いだなと思って、よくよく見ると寄木細工でできているようで、繊細な木目と木の色合いが見て取れる。
日本人の方が作られたそうで、すごい人もいるものだなあと魅入ってしまった。
続いて山手234番館へ。テーマはドイツのクリスマス。
小さな館なので部屋数は少ないが、ダイニングはここの飾り付けが一番好きだなあと思った。
ドイツらしくシックな色遣い。
ワインレッドを基調としたテーブルコーディネートに、お花やオーナメントも同色で統一されていて、リースやツリーの深緑色ととてもしっくり来る。
キャンドルが灯った温かみのあるテーブルに、思わず、寒い冬はこんな部屋で過ごしたいなあと思ってしまった。
館を出ると、真っ赤なもみじが色付いていて、思わず目を引かれた。
今年は紅葉が一際遅かったような気がする。
いつかクリスマスと紅葉がすっかりかぶってしまう日が来るのかなあとぼんやり考えた。
エリスマン邸の今年のテーマはオーストリア。
マリー・アントワネットの生家ハプスブルク家のクリスマスを演出したコーディネートで、とてもロマンティックでエレガントな飾り付けだった。
金銀の装飾で花を象ったオーナメントが所狭しと置いてあり、圧倒的なゴージャス感。
マリー・アントワネットと言うと、ソフィア・コッポラ監督の映画の影響か、フランスのマカロンカラー(薄いピンク、水色、クリーム色、セルリアンブルーなど)を思い描いてしまう。
こちらのインテリアもそう言ったカラーになっており、映画の世界のようだった。映画の世界よりは少しクラシック色が強かったけれども。
こちらではアドベントクランツが飾られていて、クリスマスが近づくにつれ、毎週少しずつキャンドルに灯を灯しているとのこと。
私が訪れた時は4つのキャンドルのうち3つに灯が灯っていた。
クリスマスまで後少し。
ドイツのシュトーレンといい、アドベントクランツといい、何かを待つという人の行為の、なんと楽しいことか。
楽しいことは、それを待つ時間もとても充実しているものなんだなあ。
この季節はより一層それを感じます。]]>
秋の読書
http://kihachi.exblog.jp/23872066/
2015-11-21T17:54:00+09:00
2015-11-15T19:20:15+09:00
2015-11-15T19:20:15+09:00
norlie
Books
そんな日はぬくぬくブランケットにくるまって、家で読書をするのが一番いい。
この秋読んだ、あるいは読んでいる、6冊の感想を少しずつ。
『イギリス南西部 至福のクリームティーの旅 / Southwest England: A Journey of Blissful Cream Teas』
小嶋いず美・著
美味しそうな紅茶とスコーンとクロテッドクリームの写真が満載のイギリス南西部旅行記。
ティーインストラクターでもある著者がイギリス南西部、サマセット州、デヴォン州、コーンウォール州の3州を巡る。
その目的は英国南西部の"クリームティー"。
クリームティーというのは著者曰く、「スコーン2個(又は超巨大なスコーン1個)とイチゴジャム、それにクロテッドクリームというバニラ色のクリームとポットサービスの紅茶が楽しめるイギリスの人気のメニュー」とのこと。
クロテッドクリームを製造しているファーム(牧場)や、個人が経営するティールームやティーハウス、B&B、そして貴族の邸宅マナーハウスまで、実に様々なクリームティーを求めて南西へと向かう旅。
その途中では、ハリーポッターのホグワーツ魔法学校の撮影が行われたレイコック・アビーや、最西端のリゾート地セント・アイヴィスなど、観光地にも立ち寄っている。
雑誌『RSVP』のティールーム特集や砂古玉緒さんのスコーンレシピの本など、スコーンと紅茶の本がもともと大好きなのだが、この一冊は旅行記ということもあって旅心もくすぐられる。
とにもかくにも美味しそうなスコーンと紅茶の写真が満載。
どの写真も似ているようで、お皿や盛りつけ、スコーンの形やジャムなどにオリジナリティーが見え隠れする。
そしてほっこりするような各地のエピソード。ティールームを営む人々の人生が垣間見える。
個人的に行ってみたい場所の一つであるセント・アイヴィスが載っていたのも嬉しかった。
この本を読むときは、湯気の立ち上るダージリンティー、熱々のスコーンとクリームを目の前に置いておきたい。
そうすると、まさに"至福"の読書時間になること間違いなし。
『すてきなあなたに 02 スタインベルグの鏡』
大橋鎮子・著
著者は「暮らしの手帖」を創刊した人物の一人・大橋鎮子さん。
1969年から同雑誌で連載された大橋さんのエッセイ集だ。
既に1巻の『ポットに一つ あなたに一つ』と4巻の『パリの手袋』を読んでいて、面白かったのでもう一冊に手を伸ばしたのだった。
最近ポケット版として新装されたこの第2巻は、もともとは1975年に刊行された一冊。
1970年代というと私が生まれるよりずっと前に執筆されたものということになるのだけれど、素晴らしいのはいまだに文章が瑞々しいこと。
古さをみじんも感じさせない筆致は、まるで昨日今日書かれたよう。
一つ一つのエッセイは、長さは色々だが、いずれも数分で読み終わるような短さ。
ぱったり会ったともだちは、大きな買いもの袋を二つも下げているのに、その上に、花束をかかえています。
白、黄、レンガ、ピンク、いろとりどりの小菊でした。
「明日から仕事で、関西へ三日ほど行ってくるの。だからちょっと買いものに・・・」この人は、会社勤めで、ときどき、こうやって出張するのですが、それにしても、と花に目をやった私をみて、
「このお花は、るすをするからなの。一人いないと、家のものが、やっぱりなんとなく、さみしい思いをすると思って、いつも家をあけるときは、花だけ新しく生けかえて出るのよ」
と言っていました。その人のいない間、その人のかわりをする花だったのです。
(『身代わりの花』より)
穏やかで優しく、気取らない。ときに深く真摯に世界を見ている、そんな文章で綴られたエッセイ。
そういえば、来年春のNHKの朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』は、この著者・大橋鎮子さんをモデルにしているのだそう。
連載開始から40年近くたった今もなお、年齢を問わず、多くの女性に愛されるエッセイ集。
大事なものや暮らしの本質は、変わることはないのだと教えてくれるようです。
『それからはスープのことばかり考えて暮らした』
吉田篤弘・著
吉田篤弘さんの『月舟町シリーズ』と呼ばれている三冊の一つ。
町に越してきた無職の青年オーリィくんが、大家のマダムや、サンドウィッチ店"トロワ"の店主・安藤さんとその息子リツくん、そして謎の女性あおいさんと触れ合う日常を描いた物語。
このシリーズの面白いところは、現実世界の日常を描いているはずなのに、どこかファンタジックな気配が漂うところ。
最初のほうは、通勤電車で毎日一章ずつゆっくりと読み進めていたのだけれど、主人公がスープを作り始めたあたりからは、ページをめくる手が止まらなくなった。
何か大きなことが起こる訳ではなく、かといって、変化のない毎日でもない。
日々少しずつ季節が移り変わるように、登場人物達の関係性が少しずつ変化し、見えなかった事実がわかってくる。そして、よりいっそう心が触れ合う。
まるでファンタジーのように、足が地に着かないふわふわとした夢見心地さがあり、不思議な心持ちで読めた一冊だった。
本の最後に『名なしのスープのつくり方』が載っているのだが、残念なことに私がこの通りに作ってもいまいちあおいさんやオーリィくんのようにじんわり美味しいスープにはならない。
スープの道はなかなかに険しい訳で、そんな私はとりあえずSOUP STOCKのレシピを見ながら、鍋に向かうのでした。
『東京百景』
又吉直樹・著
一躍時の人になったピース又吉さんのエッセイ。
私はエッセイが好きなので、芥川賞を受賞した作品よりこちらのほうが馴染みやすかった。
又吉さんの目に映った東京の姿が100のエッセイとなって集められた一冊。
高円寺や神保町、恵比寿駅や井の頭公園、隅田川や芝大門など、私も東京生活で縁あって通ったことのある場所が、又吉さんならではの独特かつ緩やかな筆致で綴られている。
その場所のことよりも、その場所で又吉さんの身に起こったこと、又吉さんが感じたことが中心に書かれている。
なんというか、この方の文章は、力が抜けてぼうっとしているようなのにちょっと鋭い。
くすりと笑いが漏れたり、神妙な心持ちになったり、切なさが過ったり、景色が目に浮かんだりする。
ところで、又吉さんの本を読んでいると、又吉さんはご自分でもおっしゃっているとおりしょっちゅう職質されているなあと思う。
別の本『新・四字熟語』にもそれにまつわるエピソードが出てきていたが、本当に"職質達人"だと思う。
又吉さんの職質のエピソードはいつもどこか自虐的な色が混じる。
ようやく交番から解放された時には雨が上がっていて晴れやかな気持ちになった。すると一人の警官が僕に近寄り耳元で、「エスパー伊東さんもここで職質したことがあるんです」と囁いた。知らんがな。その情報をどう消化すれば良いのか解らないまま食べたつけ麺はとても美味しくて救われた。
それにしても地図に生き方まで記されていたら楽なのに。
(『池袋西口の地図』より)
個人的には、又吉さんとお母様のお話『東京タワー』が面白かった。
どれも珠玉のエピソードだけれど、心に響くものはまた人によっても違うんだろうな。
でも文才のある人ってこういう人なんだろうなあって思う、独特の鋭さと旨みがあると思う。
『ぱっちり、朝ごはん』
様々な文筆家のエッセイ作品を集めた文藝書。特徴は"朝ごはん"に関するエピソードを集めているところ。
それがまた本当に豪華で、私がぱっと思い浮かぶ名前だけでも、阿川佐和子さん、角田光代さん、森下典子さん、よしもとばななさん、池波正太郎さん、小林聡美さん、向田邦子さん、吉村昭さん、椎名誠さんなど、こんな詰め合わせがあっていいのだろうかと思う一冊。
様々な作家が描く恋愛小説の詰め合わせは何度か見かけたことがあるけれども、あまりその類いには惹かれない。
どちらかというと日々の生活だったり旅にまつわるエピソードが好きなので、この本は自分にはぴったりだった。
実に千差万別の朝の風景が綴られている。
ハムエッグ、マーマレードとトースト、コーンフレーク、クロワッサン、パンとミルクティーといった洋食の朝ご飯。
納豆、味噌汁、海苔、玉子、焼き魚の和食ご飯。
あるいは、べトナムのフォーや台湾の朝粥など、海外の朝食もある。
場所も様々、年代も様々。
イノダコーヒーの風景もあれば、実家の朝食の風景もある。
つい最近の話もあれば、戦後の話もある。
面白い。三者三様の朝ご飯が詰まっている。
読む場所読むとき読む心地次第で、感じ入るストーリーもまた違う。
この本は『おいしい文藝』シリーズになっていて、他にも数冊が刊行されている。
『ずっしり、あんこ』『ぐつぐつ、お鍋』『ひんやりと甘味』など、まだまだ読んでみたいシリーズである。
『ふだん着のフィンランド』
モニカ・ルーッコネン・著
フィンランドで暮らすモニカ・ルーッコネンさんの暮らしやインテリアが掲載された本。文章と写真が心地いい。
今や多くの人が傾倒する北欧暮らし。私はそんなでもないのだけれど、豊かで厳しい自然と寄り添う北国の暮らしは結構惹かれるものがある。
特にフィンランドは森と湖の国。気温が低く、冬は寒い。
青森生まれの私は、どことなく似た環境にある彼らの暮らしに惹かれ、豊かな北国生活を送る知恵や工夫に感銘を受けた。
それにしても庭の広さ、家の広さ、自然の近さは羨ましい。東京生活ではどれも得難いもの。
普通に暮らすことが一番素敵だというのは、その通りだなあと思う。
今、読んでいるのは角田光代さんの『いつも旅のなか』。
でも年末まで少しずつ忙しくなってくるので、きっと読み終わるのは年末年始になるだろう。
読書は楽しい。とりわけ、何もしなくていい日の読書は、格別だ。
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秋の味覚は菊の花
http://kihachi.exblog.jp/23835290/
2015-11-14T17:42:00+09:00
2015-11-03T18:07:32+09:00
2015-11-03T18:00:12+09:00
norlie
Lifestyle
地域色もあるのだろうが、私の地元では菊を食べる。
食べるのは葉ではなく、菊の花弁。
秋の味覚として知られており、学校給食でも普通に菊のお味噌汁が出た。他にもおひたしにしたり、煮物に加えたりする。
あまり疑問に思ったことがなかったのだけれど、「じゃあ、バラの花弁を食べよ」と言われると、ちょっと「えっ」と思う。
でも「菊の花弁を食べよ」と言われるとしっくり来るので、なんだか不思議な心持ちである。
菊の花を食べるのは青森だけではなく、東北地方や北陸地方ではそういう地域も多いと聞く。
それ以外の地域の人がどうなのかは私はよく知らないけれど、きっと食べる場所も中にはあるんじゃないだろうか。(たぶん)
"エディブルフラワー"(食用花)なんてものが最近聞かれるようになって、様々な種類のお花が食べられるみたいだけれども、私が抵抗なく食べられるのはやっぱり昔から馴染んでいる菊だと思う。
上京してきて、スーパーで菊の花を売っているのをあまり見たことがなかったので、こちらでは売られていないのだろうと思っていた。
そうしたら、なんと先日、近所のスーパーに秋田産の食用菊が売られているではないか。
黄色い菊の花は"阿房宮"という品種で、青森でも最も良く売られているタイプの食用菊だ。
1パックに30個くらいだろうか。結構な量の菊の花が入っていた。
地元で売られているのより量が多い気がした。
早速買って帰り、台所で花弁を無心に毟る。
花弁を毟るって、普通なら罪悪感を伴う行為である。なかなかするものじゃない。
花は飾るものであって、花弁を毟るなんて普段ならとんでもない話だけれども、この食用菊の場合は、毟らないと食べられない。
こんな大量の菊の花弁を毟り取るなんて、なかなかできる経験ではないので、若干快い。
3分の1はお味噌汁にして、残りはなめことほうれんそうと和えて食べることにした。
鰹節も入れて、和風の味付け。花弁は少しシャキシャキ感が残っていて、でも味を邪魔しない。
実は私はあまり菊のお料理が好きではなく、お味噌汁は食べるけれども、菊のおひたしは苦手なほう。
菊のおひたしって、ちょっと苦いので苦手なのだ。
でも、なめことほうれんそうと鰹節で炒めたこのお料理は、苦さがなくて美味しかった。
もともとそんなに好きな訳ではないのだけれど、地元でしか食べられないと思っていた食材がこちらで売られているのはやっぱり嬉しい。
ついつい手を伸ばして料理してしまう。今回もそんな感じ。
きれいで可愛い菊の花が台所にたくさん置かれていると、なんだか心までもが明るい気持ちになる。
食用菊を売ってくれていた近所のスーパーに感謝です。
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